相続が発生して遺産分割をしようとした場合、イメージとしては、相続人全員が一堂に会し、遺産分割について協議すると考える方もいらっしゃいます。

 ただ、相続人全員がそろわない場合、遺産分割協議は相続人全員の合意が必要であることから、遺産分割が成立しないことになります。

 しかし、相続人全員が一堂に会さなくても遺産分割は可能です。

 そこで、今回は相続の際に相続人がそろわない時の遺産分割についてお話ししたいと思います。

 

遺産分割協議書を作成すれば良い

 遺産分割について一堂に会さなくても、遺産分割協議書にそれぞれ持ち回りで、署名押印をしていくことでも遺産分割は可能です。

 また、場合によっては、遺産分割証明書というそれぞれが証明書を作成するという形でも遺産分割協議は可能です。

 ただし、その後の手続きを考えれば、署名押印の際の押印は実印で行い、印鑑登録証明書をつける必要があります。

 

相続人の住所が不明の場合

 相続人が生きていることは戸籍で判明しているが、相続人の住所が分からない場合もあります。

 このような場合、遺産分割協議書を作成するにしても、不明の方の署名押印をもらうことができず、遺産分割協議が成立しなくなります。

 そこで、このような場合には、裁判所で不在者財産管理人を選任してもらい、その方に権限を付与してもらって、その方と遺産分割協議を行う方法があります。

 

相続人がさらに死亡した場合

 相続人がさらに死亡した場合、一般的には再転相続といってさらに相続が発生するのですが、その相続において相続人がいない場合、上記の不在者財産管理人では合意ができません。

 そのような場合には、相続財産清算人の選任をしてもらい、その方と協議をすることになります。

 

 

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