相手方との争いにおいて、明確な証拠がない場合があります。
例えば、売買をしたが契約書がない、物を貸したが賃貸借契約書がない、お金を貸したが借用証がないなどです。
このような場合、明確な証拠がある場合と比べて、解決が難しくなってきます。
ただ、場合によっては証拠とできるものがある場合もあります。
そこで、今回は明確な証拠のない事実を元に争うためにどうしたらよいかについて、証拠の範囲にも触れながら、お話ししたいと思います。
証拠には間接的なものもある
証拠というものは明確なものだけではありません。これを「間接証拠」や「状況証拠」と呼びます。
例えば、貸金や売買など、お金が動くものの場合には、預貯金口座の「振込記録」などが証拠になることもあります。
また、メールやSNSのメッセージなども証拠になることもありますし、「証言」も証拠といえます。
ですので、直接的な証拠がないからといって必ずあきらめなければならないわけではありません。
経験則も重要
また、一般的な「経験則」も重要になってきます。
例えば、大きなお金を貸す場合は借用証があってもおかしくありませんが、身内の中で少額の貸し借りだと借用証がなくても不自然ではありません。
つまり、一般人から見て、その証拠がないこと(またはあること)が不自然ではないかという視点も重要になるのです。
裁判所も、これらの状況を総合的に判断して事実の有無を検討します。
話し合いによる解決
もっとも、そのような間接的な証拠すら全く残っていないこともあります。
そういった場合には、事案により、話し合いで解決することがふさわしい場合もあります。
話し合いの場合、必ずしも証拠に縛られないため、比較的柔軟な解決が可能です。
また、当事者同士の話し合いが難しければ、裁判所の「調停」や「ADR」で解決を図ることも一つの方法です。