相続人が確定できたら、次に遺言の有無の調査と遺産の調査を行うことになります。
これらの調査は、自らが相続人であることを証明(戸籍等の提示)できれば進めることが可能です。そのため、すべての相続人を完全に特定し終えるのを待たずとも、自分が相続人であることが判明した段階で並行して着手できます。
遺言の有無やその内容を調査する
遺言がある場合、相続人による遺産分割協議よりも遺言の内容が優先されます。そのため、遺産を分ける前に必ず遺言の有無を確認しなければなりません。
自筆証書遺言の調査
被相続人が自筆で作成した遺言書です。
- 法務局の保管制度:法務局に保管されている可能性があるため、まずは法務局で「遺言書保管事実証明書」の交付を請求します。
- 自宅や知人宅の確認:法務局を利用していない場合は、自宅の金庫や仏壇、机の引き出し、または信頼していた知人に預けていないかを確認する必要があります。
公正証書遺言の調査
公証役場で作成され、保管されている遺言です。
全国の公証役場がつながっている「遺言検索システム」を利用すれば、最寄りの公証役場からでも遺言の有無を調べることができます。
遺産を調査する
遺産は多種多様であり、その種類ごとに異なる調査方法が必要になります。
- 不動産:被相続人が住んでいた自治体で「名寄帳(なよせちょう)」を取得し、所有不動産を網羅的に確認します。遠方の土地などは、固定資産税の納税通知書が手がかりになります。
- 預貯金:心当たりのある各金融機関の窓口で「残高証明書」や「取引推移明細書」の発行を請求します。
- 生命保険:保険証券を探し、各保険会社に問い合わせます。※受取人の指定によっては遺産に含まれない場合もあります。
- 債務(借金):これらも「負の遺産」として相続の対象です。借用書の控えや督促状などの郵便物を確認するほか、必要に応じて信用情報機関(JICCやCICなど)に照会をかけることも検討します。
これらの調査を終えて初めて、具体的な遺産の分け方を決める準備が整います。調査漏れがあると後々トラブルの原因になりますので、丁寧に進めることが大切です。