離婚を考えた場合、まず別居を先行させる場合も多いです。
特に、性格の不一致などが原因で離婚を考えている場合、離婚の話し合いがつかず、それでも離婚しようとすれば、別居するなどして、訴訟の準備を行う必要が出てきます。
しかし、別居も方法によっては、トラブルを助長する原因となってしまいますので、注意が必要です。
そこで、今回は離婚を見据えて別居する場合に注意すべきことについてお話ししたいと思います。
合意別居が望ましい
まず、前提として、夫婦には同居義務があるとされていますので、もっとも良いのは、双方で話し合って合意別居することです。
合意別居であれば、双方の合意による別居ですので、トラブルが少なく、問題が発生しづらくなります。
合意別居が難しい場合
ただ、例えば、配偶者からDVを受けているなど、明らかに話し合いをしても別居の合意ができないこともあり得ます。
その場合、正当事由があれば、合意によらない別居でも問題は少なくなります。
正当事由というのは、DVやモラルハラスメントなど、相手方が夫婦の協力義務を怠り、別居しても仕方ないような状況になっている場合です。
このような場合には、合意せずに出て行くことも違法ではありません。
(なお、DVなど、生命身体の危険等がある場合には、迅速に家を出る方が良いです。別居の話し合いの余地はなく、生命身体の危険等を避けるにはやむを得ないからです。)
合意によらない別居の注意点
合意によらない別居の場合、以下のような点に注意しましょう。
まず、相手方の生活状況に配慮して別居した方が良いでしょう。例えば、お金や家財を全部持って行ってしまうなどすると、相手方の生活を害してしまい、トラブルを生みますし、やり方によっては権利侵害で何らかの請求をされることもあり得ます。
次に、相手方にこちらが出て行ったことを伝えましょう。何も伝えないと、行方不明で警察が捜索してしまうこともあり得ます。
また、できれば事前に離婚などの意思を伝えておく方が良いでしょう。そうしないとなぜ出て行ったのか分からず、余計なトラブルが発生するおそれがあります。
DVなどの危険がある状況ではない場合には、住所までは教えずとも、連絡は可能にしておくというのも良いでしょう。
特に性格の不一致や相手方の不貞が原因の場合、今後の離婚協議も考えると、相手方との連絡先は確保しておいた方が無難です。
なお、以上は一般的な場合で、私見です。状況や考え方によっては、注意点は異なってきますので、具体的に別居を考えている場合には、弁護士に相談した方が良いでしょう。