自己破産の手続きを検討して弁護士に相談すると、「破産管財人が選任される可能性があるため、費用が高くなる」と説明されることがあります。
自分で依頼した弁護士への費用のほかに、裁判所へ納める「予納金」が必要になるためです。今回は、どのような場合に破産管財人が選ばれるのか、その役割とあわせてお話しします。
破産管財人が選任されるケース(管財事件)
破産管財人は、裁判所に代わって実務的な調査や作業を行うために選任される専門家(主に弁護士)です。主に以下の状況で選任されます。
- 一定以上の財産がある場合:不動産や高額な車両、多額の現金など、債権者に配当すべき財産がある場合。管財人がこれらを売却し、お金に換える「換価作業」を行います。
- 免責(借金ゼロ)に問題がある場合:ギャンブルや浪費など、免責不許可事由の疑いがある場合。本当に借金をゼロにしてよいかを管財人が詳しく調査します。
- 財産状況が不明確な場合:個人事業主であったり、資産隠しの疑いがあったりと、詳細な調査が必要と判断された場合。
破産管財人が選任されないケース(同時廃止事件)
逆に、換価すべき財産がほとんどなく、免責に関する問題(浪費など)も一切ないことが明らかな場合は、破産管財人が選任されません。これを「同時廃止」と呼び、手続きが迅速に進み、予納金も安く抑えられます。
管財人が選任されることの「意味」と「負担」
破産管財人はあくまで中立な立場で調査を行います。そのため、申立人にとっては以下のような負担が生じます。
- 直接の面談や聞き取り:管財人の事務所へ足を運び、事情説明を行う必要があります。
- 説明義務:破産法上、申立人には調査に協力する義務があります。郵便物も一度管財人に転送され、中身をチェックされるなど、生活上の制約も一定期間発生します。
- 予納金の負担:管財人の報酬に充てるための費用(引継予納金)を裁判所に納めなければなりません。
破産管財人の選任を防ぐことはできるのか
「管財人を選ばないでほしい」と希望しても、最終的な判断は裁判所が行うため、選任を拒否することはできません。
しかし、本来なら同時廃止で済むようなケースでも、「申立て内容に不明点がある」「資料に嘘や隠し事がある」と判断されると、疑義を解明するために管財人が選任されてしまいます。
余計な時間や費用をかけないためにも、依頼した弁護士には隠し事をせず、正確な情報と資料を誠実に提供することが、結果としてスムーズな解決への近道となります。
ご自身の状況が「管財事件」と「同時廃止」のどちらになりそうか、また予納金がいくらくらい必要になるかなど、具体的な見通しについては、ぜひ一度当事務所までご相談ください。