自己破産の手続きについて、「弁護士に頼めば自動的に借金がゼロになる」というイメージをお持ちの方もいらっしゃいますが、現実はそれほど単純ではありません。
破産は、誠実な準備と行動を通じて人生の再出発(リスタート)を図るための法的な手段です。今回は、破産申立を考えている方が知っておくべき「必要な準備と心構え」についてお話しします。
同居家族の理解と協力
ご家族に内密で手続きを進めたいというご希望は多いですが、現実的にはかなり困難です。
裁判所には同居家族の収入証明や通帳のコピーなどを提出する必要があるため、家族の協力なしに書類を揃えることはできません。今後の生活を立て直すためにも、一定の理解を得ておくことがスムーズな解決に繋がります。
仕事への影響(職業制限)の確認
警備員や保険外交員、士業など、破産手続き中に一定の資格制限がかかる仕事があります。
今の職場に残る場合は、配置換えの相談をするなど職場の理解が必要になる場面もあります。「内緒で仕事を続ける」ことは法的に許されないため、事前の確認が不可欠です。
裁判所や弁護士にかかる費用の準備
手続きには大きく分けて2つの費用がかかります。
- 裁判所への予納金:財産がない場合は数万円程度ですが、ギャンブル等の免責不許可事由がある場合や資産がある場合は、「管財事件」として20万円〜50万円以上の予納金が必要になることがあります。
- 弁護士費用:事務所によりますが、数十万円が目安です。ただし、収入が一定以下の場合は法テラスの立替制度を利用し、月々少額の分割払いにすることも可能です。
「弁護士に丸投げ」はできません
弁護士は書類作成や法的な主張のプロですが、あくまで「代理人」です。以下のことはご自身で行う必要があります。
- 書類の収集:通帳の写し、退職金の見込額証明書、保険の解約返戻金計算書など、本人しか取得できない書類が多数あります。
- 裁判所への出頭:「債権者集会」や「免責審尋」など、本人が裁判所へ行き、裁判官や管財人と対面しなければならない場面が必ずあります。
- 誠実な報告:弁護士や管財人からの質問には正直に答えなければなりません。嘘や隠し事は免責(借金ゼロ)が認められない最大の原因となります。
自己破産は決して「魔法」ではありませんが、正しく向き合えば借金に追われる日々から抜け出す強力な手段となります。不安な点や現在の状況について、まずは面談でじっくりとお話ししてみませんか?一歩踏み出すためのサポートを全力で行います。