裁判所から突然「訴状」が届くと、誰しもが動揺してしまいます。中には「身に覚えがない」「忙しくて構っていられない」と放置してしまう方もいらっしゃいますが、これは極めて危険な行為です。
今回は、訴状が届いてから最初の裁判(初回期日)までに、最低限どのような対応をすべきかをお話しします。
絶対に「無視」をしてはいけない理由
訴状を無視して、何の書面も出さずに初回の期日も欠席すると、裁判所は「原告の言い分をすべて認めた」とみなして判決を下します(欠席判決)。
- 事実と違っても認められる:たとえ訴状の内容が嘘や誤解であっても、反論がなければそのまま通ってしまいます。
- 強制執行のリスク:判決が確定すれば、預貯金や給与が差し押さえられる可能性があります。
- 時効の延長:時効間近の債務であっても、判決によって時効が10年間に延長され、リセットされてしまいます。
「放置」は、相手に100%の勝利を無条件で譲り渡すことと同じだと心得てください。
まずは「答弁書」を提出する
どうしても初回の期日に出頭できない場合や、どう対応すべきか迷っている場合でも、まずは期限内に「答弁書」を裁判所に提出してください。
答弁書には、「第1回期日に出席しなくても、書面に書いた内容を陳述したとみなす(擬制陳述)」という効果があります。これにより、以下のメリットが得られます。
- 即判決を避けられる:争う姿勢を示すことで、裁判がその場で終わってしまうのを防げます。
- 時間の猶予ができる:詳細な反論は第2回以降に持ち越せるため、その間にじっくり準備ができます。
弁護士を頼みたいが間に合わないときは?
期日が数日後に迫っていて、まだ弁護士が見つからないという場合でも諦める必要はありません。
まずは自分で「請求を棄却する(認めない)」という趣旨の簡単な答弁書(裁判所の同封資料に書き方見本があります)を提出して第1回期日をしのぎ、その直後から本格的に弁護士を探して第2回期日から代理人を務めてもらうことが可能です。
答弁書の書き方
答弁書には、訴状に書かれた事実を「認める」のか「否認する(争う)」のかを記載します。細かい証拠の提出や法的な反論は後回しでも構いません。
まずは「原告の請求は認められない」という意思表示を裁判所に届けることが最優先です。
「自分一人で書くのは不安だ」「相手の主張が複雑でどう反論していいかわからない」という場合は、一刻も早く弁護士へご相談ください。裁判手続きは初動が肝心です。手元に届いた訴状をすべてお持ちいただければ、迅速に状況を分析し、適切な対策をアドバイスいたします。