大昔の抵当権などの登記を消すにはどうすればよいか

不動産問題

不動産を売却しようとした際や相続した際、登記簿を見てみると「明治・大正・昭和初期」といった大昔の抵当権(いわゆる休眠担保権)が残っていることがあります。

こうした登記が残っていると、不動産の価値が下がったり、買い手がつかなかったりと大きな弊害が生じます。今回は、こうした古い抵当権を抹消するための具体的な方法について解説します。

古い抵当権を消すことができる理由

登記を消すためには、原則として「その抵当権で守られている借金(被担保債権)」が消滅している必要があります。大昔の抵当権の場合、以下のいずれかに該当することがほとんどです。

抵当権を抹消するための3つの手続き

相手方(債権者)が既に存在しない、または協力が得られない場合、以下のような手続きをとることになります。

① 訴訟による抹消(判決による登記)

最も一般的な方法です。「時効により債権が消滅した」ことを裁判所に認めてもらい、その判決書を法務局に提出します。相手方が死亡している場合は、その相続人全員を調査して特定し、被告とする必要があります。

② 供託による抹消(特例制度)

債権者が行方不明で、債権額が極めて低額(明治時代の数円〜数百円など)な場合に利用できる便利な制度です。現在の貨幣価値ではなく「当時の金額」に利息を加えた額を法務局に供託することで、単独で登記を抹消できます。

③ 共同申請(相手方が協力的な場合)

債権者やその相続人が判明し、協力が得られる場合は、実印と印鑑証明書などをもらうことでスムーズに抹消登記が行えます。

手続きの難所は「相続人の調査」

訴訟自体は相手方が争ってくることが少なく、形式的に進むことが多いのですが、最大の難関は「相手方(相続人)の特定」です。何十年前の人物の戸籍を全国から取り寄せ、家系図を作る作業は非常に手間がかかり、専門的な知識を要します。


放置しておくと、さらに相続人が増えて手続きが複雑になってしまいます。大昔の抵当権を見つけたら、売買や相続が発生する前の早い段階で解決しておくのが賢明です。