ある日突然、弁護士から「通知書」や「請求書」が内容証明郵便で届くことがあります。裁判所からではないとはいえ、弁護士名義の書類は非常に威圧感があるものです。
焦ってすぐに反論の電話をかけたり、逆に「無視すればいい」と放置したりするのは、どちらも得策ではありません。弁護士から通知が届いた際の、冷静かつ適切な対処法を整理します。
ステップ1:弁護士が「本物」かどうかを確認する
残念ながら、弁護士の名をかたった詐欺も存在します。まずは相手の情報を疑ってみることも大切です。
- 登録確認:日本弁護士連合会(日弁連)のホームページには、全国の弁護士を検索できるシステムがあります。そこに名前や登録番号があるか必ず確認しましょう。
- 事務所情報の照合:通知に記載された電話番号や所在地が、検索結果と一致しているかもチェックポイントです。
ステップ2:内容の「心当たり」と「言い分」を整理する
弁護士が本物であれば、次にその主張内容を確認します。不倫の慰謝料、借金の督促、近隣トラブルなど、過去の経緯を振り返りましょう。
- 心当たりがある場合:相手方の主張が100%正しいとは限りません。「自分にも言い分がある」「金額が妥当ではない」といった対抗策を考える必要があります。
- 心当たりがない場合:全くの誤解や人違いの可能性もありますが、放置すると「認めた」とみなされ、裁判へ進んでしまう恐れがあります。適切に「心当たりがない」と回答すべきです。
ステップ3:連絡は「電話」ではなく「書面」で
相手方の弁護士に連絡する際、いきなり電話をかけるのはお勧めしません。相手は交渉のプロですから、知らず知らずのうちに自分に不利な発言を引き出されたり、不適切な約束をさせられたりするリスクがあるからです。
- 手紙(書面)での回答:こちらの言い分を正確に、かつ冷静に伝えることができます。証拠としても残るため、最も無難な方法です。
- 回答期限について:通知に書かれた「〇日以内に回答せよ」という期限は、法的な強制力はありません。しかし、無視を続けると裁判へ移行する合図にもなりますので、可能な限り期限内に返答しましょう。
ステップ4:手紙に書くべきこと・書いてはいけないこと
回答書には、自分の主張を裏付ける資料があればコピーを添付し、事実関係を淡々と記載します。感情的な罵倒や余計なプライベート情報の開示は、状況を悪化させるだけですので控えましょう。
[Image: An image of a formal reply letter being placed in an envelope, representing a calm and documented response]相手方に弁護士がついているということは、相手は「いつでも裁判にする準備がある」という意思表示でもあります。こちらが送る一通の手紙が、後の裁判で重要な証拠になることもあります。
「何を書けばいいのか」「このまま自分で対応して大丈夫か」と少しでも不安を感じたら、こちらも弁護士に相談し、回答書の内容をリーガルチェックしてもらうことを強くお勧めします。