配偶者の不貞行為(不倫)が発覚した際、相手方にいくら慰謝料を請求できるのかは最も気になる点の一つでしょう。ネット上には「相場は100万〜300万円」といった情報があふれていますが、実際には個別の事情によって金額は大きく増減します。
裁判所が慰謝料の額を決める際に、どのようなポイントをチェックしているのか、具体的な考慮事情を解説します。
慰謝料額を左右する主な要因
不貞慰謝料は、平穏な婚姻生活を壊されたことへの精神的苦痛を補償するものです。そのため、「どれだけ過酷な裏切りであったか」が問われます。
- 不貞の期間と頻度:関係が数年に及んでいたり、頻繁に会っていたりする場合は「悪質性が高い」とみなされ、金額は上がります。逆に、一度きりの過ちであれば低くなる傾向にあります。
- 婚姻期間:20年連れ添った夫婦と、結婚1年目の夫婦では、不倫によって壊されたものの重みが違うと判断されます。婚姻期間が長いほど、慰謝料は高額化しやすいです。
- 子供(未成熟子)の有無:まだ手のかかるお子さんがいる場合、家庭崩壊による子供への悪影響も考慮され、増額事由となります。
当時の「夫婦仲」も重要な指標
不倫が始まる前の夫婦関係がどのような状態だったかも重要です。
- 円満だった場合:不倫が原因で幸せな家庭が壊されたと言えるため、慰謝料は高くなります。
- すでに冷え切っていた場合:もともと別居していた、あるいは破綻寸前だった場合は、「守るべき平和が少なかった」とみなされ、減額(あるいは認められない)こともあります。
被害の大きさと「態様」の悪質性
結果としてどのような被害が生じたかも加味されます。例えば、不倫が原因で不眠症やうつ病になり通院が必要になった場合などは、被害が大きいとして増額に作用します。
また、以下のような「態様の悪質性」も厳しく見られます。
- 自宅で不貞行為に及んでいた
- 不倫相手が妊娠・出産した
- 発覚後も嘘をつき続け、開き直ったような態度をとった
- 逆に深く反省し、謝罪や宥恕(許し)があった場合は減額要因となります。
慰謝料請求において大切なのは、これらの事情を裏付ける「証拠」をどれだけ揃えられるかです。単に「ひどいことをされた」と主張するだけでなく、客観的な事実を積み上げることが、納得のいく解決への近道となります。
「自分のケースではいくらくらいが妥当なのか」「今の証拠で有利に進められるか」など、不安がある方はぜひ一度専門家にご相談ください。状況を整理し、適切な請求をサポートいたします。