「知人に頼まれてお金を貸したが、返済期日を過ぎても連絡が取れない」「少しずつ返すと言っていたのに一度も振り込まれない」といった個人間の金銭トラブルは、非常に多く寄せられるご相談の一つです。親しい仲であっても、金銭のやり取りには慎重な「予防策」が欠かせません。
トラブルを未然に防ぎ、万が一の際に回収の可能性を高めるためのポイントを解説します。
1. どんなに少額でも「書面(借用書)」を交わす
法律上、口約束でも契約は成立しますが、証拠がなければ「もらったお金だ」「借りていない」と言い逃れをされるリスクがあります。後で後悔しないために、必ず書面を作成しましょう。
- 記載すべき必須項目:作成日、貸主・借主の住所氏名(自署+押印)、貸付金額、返済期日、返済方法(振込先など)。
- 特約の記載:利息や遅延損害金、分割払いの条件などがある場合は、すべて漏らさず記載します。
2. 相手の「正確な身元」を把握しておく
氏名や住所、連絡先が不明確だと、裁判所の手続き(訴訟や差し押さえ)自体が利用できないことがあります。特に以下の情報は、貸す前に必ず確認し、記録しておきましょう。
- 現住所と連絡先:免許証のコピーなどを取らせてもらうのが理想的です。
- 勤務先:万が一の際、給与を差し押さえるための極めて重要な情報になります。名字しか知らない、住所がうろ覚えといった状態でお金を貸すのは非常に危険です。
3. 返済能力(資産状況)を厳しく見極める
金融機関が審査を行うように、個人間でも「どうやって返すのか」の根拠を確認する必要があります。
- 使途と原資の確認:なぜ今お金が必要なのか、何のお金(給与、ボーナス、資産の売却など)で返済するつもりなのかを具体的に聞き出します。
- 「返ってこなくてもいい」と思えるか:個人間の貸し借りは、最終的に相手に資力がなければ、裁判で勝っても回収できないケースが多々あります。そのリスクを覚悟できる金額か、冷静に判断しましょう。
4. 高額な貸し付けには「保証人」を検討する
金額が大きい場合は、第三者の保証人をつけてもらうことも有効な手段です。ただし、保証契約は必ず書面で行わなければならず、実印と印鑑証明書を求めるなど、厳格な手続きが推奨されます。
| 対策の重要度 | 具体的なアクション |
|---|---|
| 必須 | 借用書(金銭消費貸借契約書)の作成・保存。 |
| 推奨 | 銀行振込で貸し付ける(送金の履歴を銀行に残す)。 |
| より強力に | 「公正証書」を作成する。不払いがあれば即座に強制執行が可能になります。 |
「友達だから信じたい」という気持ちは大切ですが、法的な備えをしておくことこそが、逆にトラブルを防ぎ、人間関係を壊さないための知恵でもあります。すでにトラブルになっている場合や、これから大きな金額を貸す予定で契約書の中身に不安がある方は、お早めにご相談ください。
証拠の評価から、相手方への督促状(内容証明郵便)の作成、差し押さえを視野に入れた法的措置まで、着実な債権回収に向けたサポートを承っております。