資産隠しを防ぐ方法

その他

裁判で勝訴したり、公正証書を作成したりしても、相手方に資産がなければ一円も回収することはできません。最も厄介なのは、話し合いや裁判の最中に相手が預金を下ろしたり、不動産を名義変更したりして「資産隠し」を図るケースです。

このような「逃げ得」を許さないための強力な法的手段、「民事保全手続」について解説します。

1. 資産をフリーズさせる「民事保全手続」

民事保全とは、裁判の結論が出る前に、相手方の資産を「仮に」差し押さえて動かせなくする手続きです。これにより、いざ強制執行をする段階になって「中身が空っぽ」という事態を防ぎます。

2. 手続きを利用するための条件と注意点

民事保全は非常に強力な手続きであるため、裁判所が認めるには一定の条件をクリアする必要があります。

3. 裁判や調停の段階に応じた「保全」の種類

解決を目指す手続きの種類によって、利用できる保全制度が異なります。

状況 利用できる手続き
民事訴訟(貸金、損害賠償等) 民事保全(仮差押え・仮処分)
訴訟提起を前提とした、最も一般的な保全です。
民事調停・家事事件(離婚等) 調停前・審判前の保全処分
家庭裁判所などの手続きに付随して行われる保全です。

4. 資産を隠されてしまった後の「最終手段」

もし保全が間に合わず、資産を隠されてしまった場合でも、あきらめるのはまだ早いです。近年の法改正により、回収の可能性を高める新制度が導入されました。


債権回収の勝敗は、相手に「準備(資産隠し)」をさせる前に動けるかどうかにかかっています。相手が怪しい動きを見せ始めた、あるいは最初から逃げる可能性が高い場合は、訴訟よりも先に「保全」を検討すべきです。

「担保金はいくら必要か」「今の証拠で差し押さえができるか」など、具体的な見通しについてはお早めにご相談ください。確実に回収するための戦略を、共に構築していきましょう。