裁判というと,ドラマなどで見たことがあるくらいの方がほとんどだと思います。
ただ,ドラマで出てくる裁判は主に刑事裁判で,民事の裁判(民事訴訟)については,ほとんど出てきません。
また,一度くらい裁判を行ったことがある人も,弁護士に頼んだが,裁判所が話を聞いてくれず,納得いかない結論になったというような悪いイメージをお持ちの方もいるかもしれません。
そこで,今回は,民事訴訟の仕組みについてお話ししたいと思います。
民事訴訟の流れ
民事訴訟は,原告の訴訟提起(訴状提出)によって始まり,期日といわれる裁判官・原告(または原告代理人)・被告(または被告代理人)の3者の集まりを1回~多数回行い,原告と被告がそれぞれの主張(言い分)と証拠を提出し,最終的には裁判官が判決という結論を下す手続です。判決の前には,一般的には尋問という証人や原告本人,被告本人に裁判官の面前で質疑応答を繰り返すことにより,人の証言を証拠とする手続きを行い,場合によっては,和解の話をした上で,和解ができない場合に判決がなされます。
民事訴訟の仕組み
民事訴訟では,原告被告それぞれの言い分のうち,争いのない事実は判決の前提とされますが,争いのある事実は証拠により証明されてはじめて判決の前提となります。
証明というのは,十中八九そういう事実があるだろうと考えられるまでに証拠が積みあがっている状態です。
ですので,いくら当事者の中では,これは間違いないと考えていても,裁判官がありそうだが確率として60%くらいなどと考えてしまうと,その事実はなかったこととして扱われてしまいます。
そして,前提とした事実を積み上げて判決がなされますので,当事者の方の考えと裁判官の考えがだいぶずれることがあります。
また,尋問も証拠の一つなのですが,あくまで質疑応答ですので,弁護士の法律相談のようにざっくばらんな話はできません。訴訟での言い分のうち争いがある部分を証明する事実と関係することしか話ができないため,裁判官は話を聞いてくれなかったと感じることも多いです。
弁護士の有用性
以上の状況から,当事者の方が納得のいく裁判を行うためには,当事者の方の話を十分聞いて,裁判へ反映させる弁護士の役割が重要になってきます。
確かに費用はかかりますが,裁判で後悔しないためにも,裁判を考えられている方は一度弁護士に相談された方が良いと思います。