ご自身が紛争に巻き込まれ、なかなか解決が難しい場合、弁護士を依頼した方が良いのではないかと考える方もいらっしゃると思います。特に相手方が弁護士をつけ、裁判をしてきた場合には、こちらも弁護士をつけないと…という不安にかられます。
また、そこまで不安な状況ではなくても、自分で解決できない場合や長い間解決ができていない場合には、弁護士に依頼することも視野に入ってくるでしょう。
他方で、弁護士と聞くと、どうやって依頼したらよいのか、何をしてくれるのか、どんな仕事をしているのか、費用はどのくらいかかるのか、想像がつかない方も多いと思います。
そこで、もし弁護士を依頼する場合、どのような点に注意すればよいのか、上記の疑問なども踏まえ、ご説明したいと思います。
弁護士に依頼するにはまず法律相談から
弁護士の依頼について時折見られるのが、電話一本で依頼したいというお話しをされることです。
弁護士の仕事は、相談者や依頼者の方の現状から、最も良い解決を図るという側面が大きく、相談者や依頼者の方の現状を詳しく知る必要があります。
そして、お聞きした状況や資料で確認した事実をもとに、相談者や依頼者の方にとって最もよさそうな解決を考えることになるのですが、その際、弁護士に依頼することが必ずしも解決になるとは限らない場合、相談者が依頼したいというお話しをしていても、依頼をお受けせず、今後の対応のアドバイスで終了することもあります。
ですので、ご依頼に際しては、まず一度は法律相談を受けることが必要になるということです。
依頼の前には弁護士に気になることを聞いておく
弁護士は依頼を受けると、依頼の範囲において、依頼者の代わりに文書作成や交渉、裁判も含めた各種手続きを行います。
基本的に依頼者の方は依頼した件に関して、全て弁護士を通じて行うことになり、弁護士と協議しながら、問題の解決に向かうことになります。
ですので、いったん依頼して動き出すと、相手方にしていたあの話も弁護士はしてくれるだろうかとか、この件の連絡はどうすればよいかとか、細かいことも含め、様々な点について疑問がわいてくることもあり得ます。
その場合、思いついた都度弁護士に聞いても良いのですが、最初から疑問に思っていたにも関わらず、よくわからないまま依頼してしまうということもあります。最悪の場合、そのような疑問があとあとまで引きずられ、依頼関係に影響を及ぼすこともあります。
弁護士は専門家の立場からも受任者という立場からも説明義務があります。細かいことでも気にせず、依頼の前の段階から、気になることは質問して、疑問を解消しておきましょう。
費用に関しても確認する
弁護士費用は、現在、自由化されており、ある程度の相場はあるものの、事務所ごとにどのような報酬体系にしているかは全く違います。
金額もですが、支払い方法(分割払いが可能かなど)についても事務所ごとに異なります。
依頼の際には、弁護士は費用について説明すると思いますが、依頼者の側から費用について質問すると失礼だと思ってしまうのか、弁護士の説明を聞いて終わりということもあり得ます。
ですが、費用もかなり重要なことですので、疑問があったら率直にお話ししてください。
なお、弁護士は依頼にならなくても、見積もりを出すことができます。ですので、依頼するかどうかの参考にしたいという程度でも、見積もりをお願いすれば出してくれるところがほとんどかと思いますので、うまく利用しましょう。
弁護士を選ぶポイント
いざ依頼すると、長い間その弁護士と問題解決を図ることになります。ですので、依頼する弁護士は慎重に選んだ方が良いでしょう。
弁護士にはそれぞれ個性があり、知識経験もですが、コミュニケーション能力、問題解決への考え方(白黒つけたいか、円満解決を目指すか)、フットワークの軽さなど様々な点で異なります。
一番は依頼者の方に合う人を選ぶということになると思いますが、最初の段階では情報が少ない部分も否めません。
そこで、慎重に決める場合には、複数の弁護士に相談して決めるというのも一つの方法です。仮に複数の弁護士に相談する時間がない(または費用が捻出できない)などに場合には、その手段は取れませんが、その場合でも、依頼する弁護士が自分に合いそうかはしっかりと判断しましょう。
その場合、特に重要だと思われるのは、話をしっかり聞いてくれているか、説明をしっかりしてくれるかという点です。知識経験については、正直初回の相談で依頼者の方が判別できるものではないですが、上記の2点については、簡単に分かります。話をあまりきかない、説明が不十分という弁護士に関しては、依頼した後もそのような対応になると思いますので、特に依頼に不安を感じている方については、しっかりと吟味した方が良いと思います。