ご自身のお悩みについて弁護士に相談して解決するものかどうか分からない場合も多いと思います。
また,そもそもどこに相談してよいか分からないという場合もあります。
弁護士の法律相談は,そもそも法律が生活全般にわたるため,一般に考えられている以上に広い範囲をカバーしていると思いますが,そうはいっても弁護士では何ら解決にならないことも存在します。
そこで,今回は,弁護士では解決できない,法律相談にはなじまないことについて述べたいと思います。
いわゆる人生相談
自分は何がしたいのか分からないや,純然たる人間関係の問題(友達がほしいとか,通常の会話がかみ合わないなど)など,いわゆる人生相談にあたるようなものは,弁護士では解決できません。
弁護士は法律の専門家ではありますが,人生の専門家ではなく,例えばどうやったら仲がいい人ができるかなど,法律の適用の余地のない問題については,解決方法を見出せません。
男女問題において,結婚した方が良いかなどについても同様です。
婚姻の法的意味や制度内容を説明することはできますが,具体的な交際相手と結婚をした方が良いかなどについては,弁護士はお答えできません。
就職口のあっせん
債務問題ではなく,良い就職口がないのかというような相談はできません。
確かに収入が増えれば債務問題が解決することはありますが,弁護士は職業斡旋窓口ではないため,債務の整理はできても,就職口を紹介するようなことはできません。
宗教的な問題
当事者間のトラブルであっても,宗教的な問題に関しては解決できません。
宗教上の教義などは,法律のルールに似ているところもあるかもしれませんが,教義に反しているからといって,国の制度を利用できるわけではなく,宗教内での解決が原則になります。
したがって,法律違反などの話であれば別として,単なる宗教の問題についてはタッチできません。
犯罪の助長になる相談
どうすれば違法行為をうまくできるかなど,犯罪行為を助長するような相談もできません。
弁護士はあくまで法を守るべき立場にありますので,犯罪を助長することは禁止されています。