今回は,不動産についての合意書などの文面についてお話ししたいと思います。

 

不動産の登記についての条項

 不動産の合意書の場合,「甲は乙に対し,別紙物件目録記載の土地を○円で売り渡し,乙はこれを買い受ける。」など,所有権の移転の原因となる条項の後に,登記に関する条項を入れることになります。

 例えば,「甲は乙に対し,本件土地につき,(令和○年○月末日限り,乙が前項の金員を支払うのと引き換えに,)第○項の売買を原因とする所有権移転登記手続をする。ただし,登記手続費用は乙の負担とする。」などと記載します。

 ポイントは,登記原因を特定することです。物件目録で項目を指定するだけでなく,登記原因を特定しておかないと,登記ができない場合もあります。

 

不動産の明け渡しについての条項

 不動産の場合,明け渡しを合意することもあります。

 この場合には,「甲は乙に対し,令和○年○月○日限り,本件建物を明け渡す。」などと記載します。

 問題は,明け渡しをした後の動産(家財など)の処理についてです。万が一,何か置いていかれた(置いていった)場合には,その動産についての処理を記載しておかないと,後日トラブルになってしまいます。

 この点,「乙は令和○年○月○日限り,本件建物に残置した乙所有の動産について,所有権を放棄し,甲が同動産を処分しても異議を述べない。」などの文言を記載しておくことがあります。

 

境界問題についての合意の場合

 境界問題についての合意の場合,測量などを行って図面を添付する必要があります。

 その上で,「甲と乙は,別紙図面のABCDAの各点を順次直線で結んだ範囲の土地については甲が,別紙図面のABFGAの各点を順次結んだ範囲の土地については乙が,それぞれ所有することを相互に確認する。」などと記載します。

 なお,この合意はいわゆる所有権の境界の問題についてですので,官民境界の問題とは異なることにご注意ください。

 

 

 

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