離婚をする手続きについては,概ね協議離婚,調停離婚,裁判離婚の3種類があります。
裁判離婚など裁判所が関与したものは,自動的に離婚になるというイメージの方もいらっしゃるとは思いますが,いずれの手続きをとっても,離婚に際しては,離婚届を役所に提出する必要があります。
もっとも,それぞれの手続きごとで,離婚届の出し方に違いがあるところもありますので,今回は離婚の手続きごとの離婚届提出の際の注意点についてお話ししたいと思います。
協議離婚の場合
協議離婚の場合は最もシンプルで,離婚届を夫と妻双方が書いて,いずれかが提出する形になります。
離婚届を提出するのは夫婦どちらでもよいですが,離婚届の不受理届を提出している場合は,事前に不受理届の取下をしておくか,離婚届提出と同時に取り下げる必要がありますので,離婚届提出の時点で不受理届の取下がなされていない場合には,不受理届を出していた方が離婚届を提出した方が良いでしょう。
また,協議離婚の場合のみ,証人2名の署名等が必要になります。
調停離婚の場合
調停離婚の場合,調停成立の日から10日以内に,調停を申し立てた方が離婚届を提出します。
この場合には,相手方の署名押印は不要で,調停調書(一般には離婚用の抄本)を添付して離婚届を提出します。
もっとも,離婚届には戸籍に関する事項など,調停調書には記載のない事項がありますので,調停成立の際に,事前に記載事項を確認しておく必要があると思います。
なお,離婚届の提出への便宜などの関係で,調停の相手方が提出する場合があります。
この場合は,調停成立時に,相手方が提出できるようにする特別な文言を入れることになりますので,調停成立の際は,離婚届の提出に関しても詰めておきましょう。
調停離婚に関しては,不受理届がなされていても関係ありません。
また,調停での離婚でも,相手が出頭していない場合など,調停に代わる審判という形で離婚することもあります。この場合には,審判の確定後(具体的には審判が当事者に送達されてから2週間経過した後)10日以内に離婚届を提出することになりますので,ご注意ください。
裁判離婚の場合
裁判離婚の場合,判決確定後,10日以内に原則として原告が離婚届を提出することになります。
反訴をしていた場合には,被告側でも提出可能です。
和解で離婚する場合には,調停同様様々な調整をすることになります。
以上のとおり,届一つをとっても細かい点に違いがあります。迷ったら弁護士等に相談しましょう。