裁判や調停、交渉などにおいて、和解などの合意に至ることは、双方にとってメリットがある場合が多く、可能であれば和解などで紛争が解決する方が良いと考えられます。

 しかし、紛争になっている状況においては、双方の言い分が全く異なる、価値観が異なるなど、なかなか和解に至る機運が生まれないことも多々あります。

 とはいえ、タイミングによっては、和解になることも十分あり得ます。

 そこで、今回は和解(示談、合意)で解決しやすいタイミングについてお話ししたいと思います。

 

裁判での判決直前のタイミング

 裁判で判決直前まで来た場合、裁判官はすでに結論を出していますので、いずれこのような判決が出るなら、少しでも得するような結果が良いということで、判決直前のタイミングはもっとも和解になりやすいタイミングといえます。

 しかし、このタイミングの和解は、ほとんど判決内容に近くなってしまうので、勝訴しそうな側からは良いのですが、敗訴しそうな側はわずかながらにメリットはあるものの、判決をベースにしているため、抜本的な解決にはつながりにくいものになりがちです。

 

裁判で尋問の直前のタイミング

 裁判で尋問前のタイミングも和解が成立する可能性が高くなります。

 これは、少なくとも裁判所が書証などについてはすべて確認しているため、ある程度判決の方向性が見えており、判決直前と似たような状況で和解が成立する可能性が高いためです。

 もっとも、この場合も、ある程度裁判官の心証を前提としますので、全体的解決ははかりづらいことも多いと思います。

 

提訴の直前、直後

 裁判をする前、または、裁判が始まったころは、まだ裁判官の心証も形成されておらず、双方の舌戦も始まっていないため、比較的穏便な解決をはかれるタイミングです。

 ただ、裁判開始直後は、原告側が好戦的になっていることもあるため、提訴直前の方が和解になりやすいと考えられます。

 

双方が感情的になっていないタイミング

 提訴などまで至っておらず、双方が感情的にはこじれていない状況は、柔軟かつ早期な和解解決が可能になります。

 上記のとおり、裁判になるといずれか一方に結論が偏ってしまうことからすれば、可能な限り、その前に和解で解決する方が良いでしょう。

 

 

 

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