インターネットの情報や噂などで、離婚の際には、公正証書を作成した方が良いと聞く場合があります。
もっとも、公正証書と言ってもイメージがわかない、不正確な情報を聞いてしまったなど、何がどうなっているのか分からず、余計悩んでしまう場合も多くあると思います。
そこで、今回は離婚する際に公正証書を作成する場合の注意点についてお話ししたいと思います。
作成が必要な場合と不要な場合
まず、公正証書は強制執行認諾文言というものを記載しておくと、金銭的な請求について、裁判を経なくても差押ができるという利点があります。
ですので、金銭的な請求(財産分与、慰謝料、養育費など)を定める場合には、公正証書を作成するメリットがあり、作成が必要な場合といえます。
また、年金分割を行う場合には、通常の協議書では手続きができず、公正証書等が必要になりますので、この場合にも作成が必要だといえます。
他方で、金銭的な合意がない場合には、そこまで必要性は高くはありません。もっとも、公正証書は公証役場で公証人が作成しますので、合意の効力が後日争われる可能性があるなどする場合には、作成しておいた方が良いでしょう。
弁護士の関与は必須ではない
ご相談の中では、公正証書は弁護士に依頼しないと作成できないと考える方がいらっしゃいますが、そのようなことはありません。
公正証書は公証人が作成しますので、弁護士の関与がなくても作成可能です。
もっとも、公証役場では、どのような合意をしておいた方が良いなどのアドバイスまではあまりなく、当事者双方が合意したことを文面にすることが中心ですので、相手方と交渉中の場合などは、公証役場ではどうにもなりませんので、この場合、弁護士に相談することになります。
また、一般的な項目以外の合意を行いたい場合、弁護士を通した方がスムーズに進みます。
相手方の同席が原則
公正証書を作成する場合には、相手方との同席が原則となり、片方だけで作成することは難しいです。
一応、代理人を立てて本人同士が会うことがないようにはできますが、委任状も公正証書用のものがあるなどして、一定の要式が必要になります。
ですので、この点も考えて作成に望む必要があります(弁護士を依頼した場合には、場合により弁護士が出頭することもあり得ます。)。
費用や必要書類について
公正証書作成の場合、通常の協議書と違って必要書類や費用が必要になります。
この点、公証役場でホームページがあると思いますので、そちらも参照すると良いでしょう。