相手方が支払いをしない、引き渡すべき物を渡さないなど、相手方と紛争がある場合の解決方法はいくつかありますが、その中で最終手段ともいえる方法が民事訴訟(民事裁判―以下、単に「裁判」といいます。)です。

 裁判はとにかく強制的に結論が出ますので、どうしても紛争が解決しない場合に、視野に入れるべき方法ですが、メリットだけでなくデメリットもあります。

 そこで、今回は、民事訴訟(民事裁判)を提起するかどうかの判断基準について、お話ししたいと思います。

 

裁判のメリット

 裁判は、主張や証拠に基づいて、裁判所が判決という結論を出すことで紛争を解決する手段です。

 裁判で結論が出ても、支払いなどをしない場合には、裁判所の強制執行手続を行うことで強制的に回収することができるようになります。

 すなわち、相手方の同意がなくても、裁判所が強制的に判断をし、強制的に回収が可能になる可能性があるメリットがあります。

 また、いずれ判断が出されるという意味で、一定の期間で解決できるメリットがあります。

 

裁判のデメリット

 他方で、裁判では、証拠による立証が必要になりますので、証拠が不足する場合、裁判で考えている結論と逆の解決になってしまう(敗訴してしまう)可能性があるという点はデメリットといえるでしょう。

 また、解決に必要十分な手続きを経ることになりますので、必ずいずれ結論が出るにしても、それまでの期間が長く、短期解決になじまないというデメリットもあります。

 裁判は弁護士の依頼を必要とすることも多いため、その費用が必要となるデメリットもあります。

 

裁判をすべきかの考慮要素

 以上のような特徴から、裁判をすべきかについては、かけられる費用や時間、証拠の状況などから、どのくらいでどのような結論が出そうかの見立てを行って、裁判をすべきか考えた方が良いと思います。

 勝訴可能性が高く、費用や時間をかけられる状況であれば、裁判をした方が良いかもしれませんが、勝訴可能性が低い、費用がかけられない、時間がないなどの場合には、裁判は向かないかもしれません。

 どうして良いか判断が難しい場合には、弁護士を依頼することまでは考えていなくても、弁護士に一度相談した方が良いと思います。

 

 

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