何か紛争が起きたり、相手方の対応が悪かったりすると、慰謝料を請求したいと考えることがあります。
アメリカなどのニュースなどでは、かなりの金額の慰謝料が認められるなどしているため、高額な慰謝料を請求したいと考える方もいらっしゃいます。
しかし、日本での慰謝料はそのようなイメージとは異なる部分も多いです。
そこで、今回は慰謝料についての注意点(請求の可否や金額について)についてお話ししたいと思います。
慰謝料とは
慰謝料とは、日本では、精神的苦痛に対する損害賠償と解されています。
すなわち、日本において、慰謝料はいわば心の傷をお金で埋めるような考え方になっており、あくまで損害の賠償という概念になっています。
慰謝料の発生原因
そして、精神的苦痛があれば、全て慰謝料が発生するとは考えられておらず、あくまで著しい場合について慰謝料が発生するとされています。
例えば、交通事故に遭い、入通院をしなければならないというのは、身体的にもつらく、精神的苦痛が著しいため、慰謝料が発生します。
他方で、店員の態度が悪くて不愉快だったなどの精神的苦痛は慰謝料は発生しないことがほとんどです。
慰謝料の金額
慰謝料の金額については、あくまで損害の賠償という観点から、日本ではアメリカなどと比較して低額になっています。
アメリカでは懲罰的損害賠償といって、いわば罰金のような側面も含んでいるため、金額が高くなる傾向がありますが、日本ではそのような側面はなく、金額は低くなっています。
慰謝料はあくまで補充的
したがって、慰謝料をメインとして相手方に請求するというのは、金額も低くなりがちですので、本体の紛争で損害などがあった場合、慰謝料は補充的なものと考えた方が良いと思います。