離婚や遺言をする場合に、公正証書を作成した方が良いという情報を見て、公正証書の作成を考えた場合、公証役場に直接お願いしてしまう場合と、弁護士を依頼し、弁護士を通じて公証役場で公正証書を作成する場合とがあります。
公正証書の作成は公証役場で、公証人という人が作成する書面で、弁護士が作成するものではないため、弁護士を依頼する必要はないと考える方は多いと思います。
他方で、とにかく何もわからないから弁護士に頼んでしまえば間違いないと考えて弁護士を依頼する方もいるでしょう。
このいずれが良いのかについては、実は、事案や場合によるものです。
そこで、今回は公正証書作成に弁護士の利用する場合についてお話ししたいと思います。
公証役場での手続き
そもそも公正証書は公証役場で作成するものであることは、弁護士を依頼しようとしまいと変わりません。
公正証書を作成する公証人は、裁判官や検察官など、司法関係者が就任することが多いため、作成を希望する本人が、弁護士に相談せずに公証役場に直接お願いしても、誤った書類が作成されることはないでしょう。
しかし、公証役場では、離婚の条件や遺言の内容などについて、どの選択がベストかといったアドバイスはしてくれません。
あくまで本人がこのような内容を作成してほしいといえば、その内容を有効な形で作成するのみで、それはやめた方が良いとか、こういう内容にした方が良いという話はされません。
弁護士を利用するメリット
他方で弁護士は、まさに、それはやめた方が良いとか、こういう内容にした方が良いというアドバイスをするのが職務ですので、公正証書作成にあたってもそのようなアドバイスを受けることが可能になります。
また、よくある条項ではない、特殊な条項を作成する場合には、下調べも含め、弁護士を介する形であれば比較的楽に作成できますが、公証役場直接だと難しいこともあります。
さらに、そもそも公正証書作成が本質的解決につながらない場合には、その他の方法を提案することもあり得ます。
弁護士を利用しなくてもよい場合
以上のとおりですので、例えば、内容がしっかり決まっていて、典型的な内容を作成したい場合には、公証役場に直接依頼してよいと思います。
逆に内容が決まっていない、相手方と交渉中である、典型的な内容ではない場合には、弁護士に相談や依頼をした方が良いと思います。