配偶者に多額の借金がある、または、浪費が著しいなど、経済的な理由で離婚を考える場合があります。
協議や調停の場合には、双方の合意で離婚することになりますので、必ずしも理由はあまり関係してきませんが、裁判離婚では、双方に離婚自体争いがあると、離婚原因の有無が争点となり、経済的な理由が離婚原因にあたるか問題となります。
そこで、今回は、経済的な理由(借金など)により離婚が認められるかについてお話ししたいと思います。
離婚原因とは
離婚原因とは、裁判で強制的に離婚させられる理由であり、不貞行為や悪意の遺棄など、法律に明確に記載のあるものと、その他婚姻を継続しがたい重大な事由という包括的なものがあります。
経済的な理由については、法律に列挙されていないため、包括的な離婚原因にあたるかが問題となります。
経済的理由だけでは難しい
単純に借金が多い、浪費が多いといった理由だけで離婚が認められるのは難しいでしょう。
というのは、上記の包括的な離婚原因は、様々な事情を取り込むものですので、例えば、生活費のために借金をした場合や、浪費が多いとは言っても双方の努力次第で解決できる場合などには、離婚原因がないと判断される可能性があるからです。
ですので、経済的理由単体で裁判離婚しようとすると難しいと思います。
経済的理由も一因にはなり得る
他方で、経済的理由のみならず、その理由や経緯についても離婚して致し方ないようなものの場合、全体的な理由で離婚が認められる可能性もあります。
例えば、ギャンブルのために多額の借金をして、配偶者がいくらとめても聞かず、むしろ家計を切り崩し、配偶者の生活に著しい支障が生じているような場合、離婚原因が認められてもおかしくはありません。
また、そこまでいかなくても、別居や言動など、様々な観点も加味して離婚が認められるケースもあります。
以上のとおり、経済的な理由も経緯などによっては離婚事由にあたることもありますので、お悩みの方は弁護士に相談してみましょう。