契約や合意、遺言など、公正証書を作成した方が良い場合があります。
公正証書とは、公証役場で作成する書面で、公証人が作成し、当事者双方(遺言の場合は遺言者)がその内容に了承して作成されるものです。
一般的には、契約書などでも、公正証書の作成まではしないことも多いと思いますが、公正証書を作成すべき場合や作成した方が良い場合があります。
そこで、今回は公正証書を作成しておくと良い理由(公正証書の意義)についてお話ししたいと思います。
公正証書の効果
公正証書には、強制執行を受けても構わない旨の陳述を含むもの(強制執行認諾文言付公正証書)を作成することができます。
これは、金銭的な義務についての部分でしか作成できないものですが、この文言が入っていると、裁判などをしなくても、滞納した場合に、すぐに強制執行をすることができるようになるという強力な効果があります。
また、絶対ではありませんが、公証人の面前で作成することが多いため、本人の意思があったことが証明しやすい効果もあります。
公正証書を作成しておくとよい場合
以上の効果があることから、まず、強制執行をしやすくしておく際には、公正証書を作成しておくとよいでしょう。
養育費や婚姻費用、長期分割の貸金返済など、一定期間継続して支払を受けるものについては、滞納のリスクが高くなりますので、公正証書を作成しておくとよいでしょう。
また、高齢になってからの遺言など、後日、本人の意思が争われそうな場合にも、公正証書を作成した方が良いでしょう。
公正証書を作成しなければならない場合
なお、事業用定期借地権の設定や任意後見契約など、公正証書によらなければならないものもありますので、ご注意ください。
作成方法
公正証書を作成する場合は、公証役場で作成することになりますので、公証役場に連絡して予約などをして事前相談することになります。
場合によっては、どのような内容を作成すべきかを含め、弁護士に相談しておいた方が良い場合もあります(弁護士を依頼した上で、弁護士を通じて、公正証書作成を行う場合もあります。)。