慰謝料という言葉は日常でも聞かれるように、相当知られている法律用語ですが、現実的に慰謝料が発生するのはどのようなときか、判断は難しいのではないでしょうか。
人によっては、少しでも発言で傷ついたら慰謝料を支払ってほしいと思う場合もありますし、他方でこんなことで慰謝料請求は大げさじゃないかと考える場合もあるでしょう。
そこで、今回は、慰謝料はどういうときに請求できるのかについてお話ししたいと思います。
慰謝料とは何か
そもそも慰謝料というのは、精神的苦痛に関する損害賠償請求権のことを言います。
損害賠償ですので、罰金的な意味合いや懲罰の意味合いは含みません。
日本では損害賠償は、差額説という考え方が採られており、精神的苦痛を金銭で埋め合わせるというのが慰謝料ということになります。
慰謝料発生の基準
慰謝料は、精神的苦痛の金銭的埋め合わせだとすると、どのような場合も慰謝料が発生すると考えるかもしれません。
しかし、実務上では、社会通念上著しい場合に発生するような解釈がされています。
例えば、1回悪口を言われたとしても、著しい場合ではないため、慰謝料は発生しませんが、継続的に名誉毀損を何度も行われた場合などには慰謝料は発生し得ます。
慰謝料の金額
他方で、慰謝料が発生する場合でも、慰謝料の金額は少ないことが多いです。
生命身体への被害がある場合はある程度出ますが、そのような被害がない場合、考えているよりも少ないと感じるでしょう。
これは日本では慰謝料は損害賠償であり、アメリカのような懲罰的慰謝料が認められていないためです。
慰謝料を請求したい場合
慰謝料を請求したい場合には、上記の状況を踏まえ、著しいものであることを立証できるような準備を行う必要があります。
場合によっては、精神科等で診断書を出してもらうなど、被害が著しいことの証拠を取得したり、相手方が行った行動をできる限り多く立証できるようにしておく必要があります。