別居や離婚が問題になった場合、婚姻費用(生活費のこと)や養育費が問題になります。
双方で合意が成立する場合には、特に問題はありませんが、合意が成立しない場合、裁判所の調停などを行うことになります。
そして、双方で話し合いをするにしても、調停をするにしても、婚姻費用や養育費はどのように決めるのか知っておかないと、無用な争いが発生する、なかなか解決しないということにもなりかねません。
そこで、今回は、婚姻費用や養育費についての算定方法についてお話ししたいと思います。
算定表を参考にする
一般的かつ簡単な算定方法は算定表というものを利用することです。
算定表は、裁判所のホームページにも公開されている、裁判所の調停などで使われる相場表のようなものです。
使い方ですが、上下軸は義務者の、左右軸は権利者の総支給額(総収入)を当てはめると、交差したところに記載されている数字が婚姻費用や養育費になるという仕組みです(月額、単位万円です)。
お子さんの年齢や人数によって、用いられる表が異なってきます。
一般的なケースでは、おおよそこの算定表で算定できます。
標準算定方式
他方で、特殊なケースでは、算定表を利用することはできません。
例えば、再婚などで夫婦間とは別に子がいるケースなどです。
このような場合には、標準算定方式と呼ばれる数式で計算することになります。
これは、双方の総収入から基礎収入というものを、係数をかけて割り出し、子や親などの指数から割合を決めるなどするもので、算定の仕方が複雑になります。
このような場合には、弁護士に相談するなどした方が良いかもしれません。
考慮されるものされないもの
算定表では、総収入しか割り出す条件がないため、特殊事情で考慮されることはないのかも問題になります。
この点、算定表は一般の家庭をベースにしていますので、子に障害や病気があるなど、子の費用が一般よりもかかる場合には、増額考慮されることがあります。
他方で、借金がある、これまでの生活維持が難しくなるなどの理由は、減額理由にはなりません。