一般のお店などと違い,弁護士に法律相談をすることは,人生において一度もない方もいるくらい珍しいことが一般的です(できれば気軽に相談してほしいという思いはありますが,現実としては弁護士を利用する機会は稀なことでしょう。)。
ですので,一般の方には,弁護士の費用というのはどのくらいかかるのか全くイメージがつかないという方も多い状況です。
また,紛争の相手方に責任がある場合,弁護士費用を相手方に請求したいという方も多いです。
今回はこのような弁護士費用の疑問についてお話ししたいと思います。
弁護士費用は法律事務所や弁護士ごとに異なる
昔は弁護士費用については,日弁連の報酬基準というものがあり,どの法律事務所でもその基準内で報酬を決定していました。
しかし,現在は,弁護士報酬は自由化されており,法律事務所ごと,弁護士ごとに報酬が異なるようになっています。
ですから,同じ事件を依頼するにも事務所により金額が異なることになります。
弁護士費用の算定には2種類ある
上記のとおり,弁護士費用は自由化されていますから,どのような算定でもよいのですが,よくある算定方法として2種類あります。
1つは,着手報酬型の弁護士報酬です。これは,着手金という事務手数料のような費用が最初にかかり,事件処理が終了したら成功報酬がかかるというものです。
もう1つは,タイムチャージ型です。これは,単位時間あたりの報酬を定め,事件処理に要した時間で報酬が決まるものです。
タイムチャージ型の場合,時間に応じて費用がかかりますので,事件処理が長期化すればそれだけ費用が上がります。
着手報酬型の場合,時間がかかっても通常は費用が上がることはありませんが,より大きい結果を得た場合,報酬が上がるようになっていることが多いです。
弁護士費用は見積もり可能
弁護士に依頼する前には法律相談を実施することがほとんどですが,依頼を検討するにあたっては,弁護士に見積もり依頼をすることができます。
見積もりにより,どの程度の費用を想定しておけばよいのかはわかりますので,気兼ねなく見積もりを求めましょう。
弁護士の選び方は費用だけではない
もっとも,弁護士は,個性の差が大きく,依頼するにあたり,費用のみを重視してしまうと,後日後悔してしまうことがあります。
というのも,弁護士は知識経験に差があるだけでなく,問題解決に対する考え方(訴訟を好むか合意を目指すか)やコミュニケーション方法(説明の多寡,話をよく聞くかどうかなど)等様々な点で異なります。
ですので,安いというだけで頼んでしまうと,様々な点で不満が生じることもあるからです。
したがって,当然費用見積もりなどをとって検討することも大切ですが,それ以外の点も考慮して依頼の可否を判断しましょう。
弁護士費用を相手方に請求できる場面は一部に限られる
なお,交通事故など不法行為に基づく損害賠償請求の場合,弁護士費用も一部相手方に請求できますが,その他通常の紛争では,弁護士費用は相手方に請求できません。
ですので,原則自己負担だということにも鑑み,弁護士選びは慎重にしましょう。