裁判における本人がする話の効果・意味

その他

裁判において、事案について一定の結論を出すには、事情を知る必要がありますので、当然、原告であれ被告であれ、当事者の話を聞くことになります。

弁護士を依頼している場合には、弁護士がご本人の話を、裁判の場で法的な意味を持つ形で提出するのですが、弁護士を依頼しないで本人訴訟を行っている場合など、ご本人が対応する場面もあります。
もっとも、ご本人にとって自分の記憶が絶対に間違いがないものだとしても、相手方が明らかに嘘をついていると思えるとしても、裁判の場では、適切な形で提出しないと、正当に扱われることはありません。
そこで、今回は裁判における本人がする話の効果・意味について触れながら、どのような形で提出することになるのか、お話ししたいと思います。

裁判では言い分(主張)と裏付け(証拠)は違う

まず、前提として、裁判では「言い分(主張)」「裏付け(証拠)」の取り扱いは違います。

言い分(主張)とは、裁判で結論を出すために必要な事情で、認めてほしい事情です。
裏付け(証拠)はその言い分を裁判所が認めるために必要になる証拠関係です。
この二つはそれぞれ別の効果・意味がありますので、分けて考える必要があります。

言い分(主張)について

裁判に呼ばれて出席した場でお話ししたり、事前に書面で言い分を出したりするものについては言い分(主張)の方になり、証拠で裏付けるべき対象になります。
言い分で出していない事実は少なくとも裁判の前提にはなり得ません。

裏付け(証拠)について

他方、裏付けとして本人の話を出す場合は、「陳述書(ちんじゅつしょ)」などの証拠を提出するか、「尋問(じんもん)」という手続きで裁判官などから質疑を受け回答するという形でないと、裏付けになりません。

ですから、例えば、尋問手続きですでに話をしていることを重ねて聞かれた場合に、もうすでに話していることだからと思い、答えないなどの対応をしてしまうと、言い分に対する裏付けがないことになりますので、その事実は認められなくなります。
この点は、本人訴訟などではかなり注意が必要です。

以上のように、当事者の話には裁判上二つの意味があり、それぞれ提出方法が違います。
なかなかご本人で対応できない場合には、弁護士に相談しましょう。