新型コロナウイルスの影響で収入が減り、ローンの返済が困難になった方へ。「自己破産しかない」と決める前に、ぜひ知っておいていただきたい制度があります。それが「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」の新型コロナ特例です。
この制度は、一般的な債務整理とは異なり、生活再建のために多くのメリットが用意されています。利用するための主な条件と特徴を解説します。
1. 新型コロナウイルスによる「減収」が前提
まず、支払いが厳しくなった直接の理由が新型コロナウイルスにあることが必要です。
- 対象となるケース:ご自身が感染した場合だけでなく、外出自粛による売上減少、勤務先の業績悪化による給与カットや失業なども含まれます。
- 対象外となるケース:感染拡大が始まる前(2020年2月以前)からすでに支払いが滞っていた場合は、このガイドラインを利用することはできません。
2. 借入れのタイミングに注意:「2020年11月1日以降」は対象外
この制度で整理できるのは、原則として「2020年2月2日以前」の借入れと、それ以降「2020年10月30日まで」に発生したコロナ関連の借入れです。
- 新たな借入れの前に相談を:2020年11月1日以降に新しくお金を借りてしまうと、「支払い不能のおそれがない」とみなされ、ガイドラインが利用できなくなるリスクがあります。借金を返すためにさらに借りようと考えている方は、その前に利用を検討してください。
3. すべての債務を一括で整理する
特定の銀行だけ返済を続け、別のローンだけを免除してもらうといった「つまみ食い」的な整理はできません。法的整理と同じく、公平性の観点からすべての債務を対象とする必要があります。
- 柔軟な対応:ただし、仕事に不可欠な車のローンなどは、その価値分を支払うことで手元に残す合意ができるなど、通常の自己破産よりも柔軟な解決が図れる場合があります。
4. 最大のメリット:資産を残せる可能性と「ブラックリスト」
このガイドラインには、自己破産などの法的整理にはない非常に強力なメリットがあります。
| 特徴 | 具体的なメリット |
|---|---|
| 資産の保持 | 一定の資産を手元に残したまま、残りの債務を免除・減額してもらえる可能性があります。 |
| 信用情報への影響 | 原則として、信用情報機関(ブラックリスト)に登録されません。そのため、今後の新たな借入れやカード作成に支障が出にくいです。 |
| 無料の支援 | 弁護士などの「登録支援専門家」のサポートを無料で受けることができます。 |
このガイドラインは、コロナ禍という未曾有の事態に対して、誠実に働いてきた方の生活を再建するために作られた大変有用な仕組みです。
「自分は要件に当てはまるのか?」「手続きには何が必要か?」と疑問をお持ちの方は、ぜひお早めにご相談ください。新たな借入れをして事態が複雑になる前に、再出発のための最適なプランを一緒に考えましょう。