遺産分割の考え方(2)

相続・財産管理

遺産分割を始める際、最初に突き当たる壁が「何が遺産に含まれるのか(範囲)」と「それはいくらの価値があるのか(評価)」という問題です。通帳にあるお金や不動産だけでなく、家族名義の口座や使い込まれたお金の扱いを巡って意見が対立することは少なくありません。

遺産分割を円滑に進めるために、特にもめやすい事例と評価の考え方を解説します。

1. 遺産の範囲に含まれるか、判断が分かれるケース

見た目上の名義や形式だけで判断できない資産については、法的な基準に照らして判断する必要があります。

2. 遺産の価値(価額)をどう決めるか

「範囲」が決まったら、次はそれぞれの「価値」を確定させます。これは相続分を具体的に計算するための基準となります。

[Image: A scale weighing “Bank Account” and “Real Estate” on one side, and “Hidden Assets/Claims” on the other, symbolizing the determination of the total estate value.]

3. 預貯金と債務(借金)の特殊な扱い

以前は「預貯金は亡くなった瞬間に法定相続分で分割される」と考えられていましたが、現在は最高裁の判断により、原則として「遺産分割協議の対象」となりました。これにより、勝手に引き出すことはできず、全員の合意で分け方を決めることになります。

一方で、借金などの債務については、現在も原則として法定相続分に応じて当然に分割されるという考え方が根強く、注意が必要です。

[Image: A visual chart showing “Cash/Deposits” moving into a shared pool for discussion, while “Debts” are automatically split among heirs according to the law.]

4. トラブルを未然に防ぐためのポイント

よくある悩み 解決へのアプローチ
隠し財産がある気がする 弁護士の職権調査(23条照会等)を用いて、不明な口座の有無や過去の取引履歴を精査する。
不動産の評価が合わない まずは複数の査定を取り、鑑定費用を抑えつつ、互いが納得できる「合理的な基準」を協議する。

「何が遺産か」や「いくらか」という前提が崩れていると、その後の話し合いは必ずこじれます。特に使い込みの疑いや名義預金の問題は、証拠の集め方次第で結論が大きく変わります。

客観的な資料に基づいて遺産を整理し、無用な争いを避けるためのアドバイスを承っております。お困りの際は、ぜひお早めにご相談ください。