離婚自体は夫婦間で争いがなくても、親権に争いがあると離婚ができません。
なぜなら、離婚するには、親権者を定めることが必須であり、離婚届にも親権者を記載する必要があるからです。
とはいえ、夫婦双方で話し合っても、親権者を決めることができない場合もあり、このような場合、裁判所ではどう決まるのかなど、一定の知識を前提としないと話し合いが全く進まないこともあります。
そこで、今回は離婚における親権の決め方(考慮される要素)についてお話ししたいと思います。
裁判所での親権の決め方
裁判所で親権を決める場合ですが、裁判では、「調査官調査(ちょうさかんちょうさ)」を行ってその結果をもとに親権を定めることが多いです。
調査官とは、裁判所にいる児童心理などの専門家ですが、この調査官がお宅訪問や当事者の話を聞くなどして事情を調査し、親権者としてふさわしいのはどちらなのか意見を提出します。
裁判官は法律の専門家でも、児童心理などの専門家ではないため、調査官の意見を尊重することが多いです。
ですので、訴訟では、調査官調査の結果を踏まえて判決を行う場合が多いです。
また、調停でも、調査官調査の結果を踏まえて話し合いを行っていくことが多いです。
親権を決める要素
では、どのような事情から親権を決めるのかというと、様々な要素を考慮して判断されることになります。
具体的には、以下の要素が主だったものになります。
- これまでの養育状況(監護実績):誰がどのように面倒を見ていたのか
- お子さんの状況:年齢、性別、学校、生活している場所
- お子さんの意向:年齢によっては重視されます(概ね10歳前後から考慮され、15歳以上は原則尊重)
- 親の状況:今後の養育に関する意向、経済力、親族の協力の有無、面会交流への寛容性
また、お子さんに兄弟姉妹がいる場合、「兄弟姉妹不分離(きょうだいしまいは分離しない)」という考慮も働きます。
当然ですが、虐待などをした方の親は、親権者になりづらくなります。
親権についての話し合い方
上記要素を検討し、自分が親権者になれそうか考えて話し合うことが基本になります。
親権者になれそうな方は良いですが、なれそうにない方に関しては、親権自体はあきらめて「面会交流(めんかいこうりゅう)」を充実させるなど、他の条件で調整する方向の話し合いもあり得ますので、そのようなことが可能かも検討しましょう。
もっとも、有利不利は別として、どうしても親権を取りたい場合には、上記の各要素をできる限り調整して、調停などにのぞむことになります。
悩ましい場合には弁護士に相談しましょう。