未成年のお子さんがいらっしゃる場合、離婚届を受理してもらうためには、離婚の合意だけでなく「親権者」をどちらにするか必ず決めなければなりません。
しかし、親権が離婚における最大の争点になることは珍しくありません。今回は、親権をどのように決めていくべきか、裁判所での判断基準も視野に入れてお話しします。
裁判所ではどのように決まるのか(調査官調査)
裁判所の調停や審判で親権が争われる場合、多くは「家庭裁判所調査官」による調査が行われます。
調査官は児童心理等の専門家であり、主に以下のポイントを総合的に調査します。
- これまでの監護実績:これまでどちらの親が、主にどのように育児を担ってきたか。
- 今後の監護体制:離婚後の仕事の状況、実家の援助、保育園や住環境の整備状況。
- 子の意思:お子さんがある程度の年齢に達している場合、本人の気持ちや精神状態。
裁判所は、この調査官の報告を非常に尊重します。判断の根底にあるのは「どちらが親として優れているか」ではなく、「どちらが親権者になることが、お子さんの幸せ(子の利益)に繋がるか」という視点です。
話し合い(協議)で決める際のポイント
話し合いが平行線をたどる場合、どうしても親同士の感情のぶつけ合いになりがちです。しかし、解決の糸口を見つけるには以下の姿勢が重要です。
- 「子の福祉」を最優先に:自分たちの気持ちだけでなく、「子供の生活環境を大きく変えないためにはどちらが良いか」という観点で話し合う。
- 具体的な育児プランの共有:今後どのように育てていくのかを互いに説明し、不安な点を解消し合う。
- 長期化のリスクを考慮:親権争いが数年に及ぶと、親だけでなくお子さんも深く疲弊します。裁判所での見通しも踏まえ、早期決着を図ることがお子さんのためになる場合もあります。
親権者にならない親としての関わり方
親権を持たないことになっても、親子の縁が切れるわけではありません。裁判所も「お子さんの健全な成長には、父性と母性の両方の交流が大切である」という考えを強く持っています。
たとえ別々に暮らすことになっても、面会交流を通じて成長を見守り、養育費を負担して生活を支えるなど、親としての責任を果たしていくことが重要です。離婚後の具体的な調整は簡単ではありませんが、お子さんを中心に据えた協力体制を築くことが、将来的な良い結果に繋がります。
親権問題は感情的になりやすく、当事者だけでは冷静な判断が難しいものです。裁判所の手続きの流れや、調査官調査への備え方など、専門的なアドバイスが必要な際はお早めに弁護士へご相談ください。