夫婦で話し合い、離婚届を提出すれば離婚は成立します。しかし、養育費や財産分与といった経済的な取り決めを後回しにすると、離婚後に相手と連絡が取れなくなったり、時効(財産分与2年、慰謝料3年)で請求権を失ったりするリスクがあります。
再出発をスムーズにするためには、決めた内容を「離婚協議書」という形に残すことが不可欠です。今回は、協議書に盛り込むべき基本的な項目と書き方のポイントを解説します。
1. 離婚の合意:届出の責任を明確にする
単に「離婚に合意する」と書くだけでなく、誰がいつ役所へ届け出るのかまで決めておくと、提出の遅れや嫌がらせを防げます。
- 記載例:「甲と乙は本日離婚することに合意し、乙は離婚届に署名押印の上、甲にその提出を委託する。甲は速やかにこれを届け出るものとする。」
- 注意点:「不受理申出」を出している場合は、その撤回についても触れておくとスムーズです。
2. 親権:お子様ごとに正確に記載する
親権者の指定は離婚届を受理してもらうための必須条件です。協議書にも明記しましょう。
- 記載例:「長女〇〇(〇年〇月〇日生)の親権者を母である甲と定め、甲において監護養育する。」
- 複数の子が居る場合:親権者が分かれる場合は、どの子の親権がどちらにあるかを個別に、正確に列挙する必要があります。
3. 面会交流:子供の成長に合わせた柔軟な設定
離れて暮らす親と子が会う「面会交流」は、子供の福祉のために非常に重要です。
- 基本的な記載:「月1回程度、面会することを認める。具体的な日時や方法は子の福祉を尊重し、甲乙間で協議して定める。」
- 詳細を決める場合:「場所は〇〇公園とし、時間は10時から16時までとする」といった具体的な条件を盛り込むことも可能です。ただし、子供の体調や成長に合わせて変更できるよう、柔軟な余地を残しておくのが一般的です。
離婚協議書は、内容を忘れないための備忘録であると同時に、将来万が一トラブルになった際の重要な証拠になります。より確実な履行を求めるのであれば、これらを「公正証書」にしておくことを強くお勧めします。
次のステップでは、お金に関する具体的な項目(養育費や財産分与など)の書き方について詳しく見ていきましょう。