離婚の合意ができた際、口約束だけで済ませてしまうと、将来「そんな約束はしていない」というトラブルを招きかねません。決定した内容は必ず「離婚協議書」などの書面に残すことが大切です。
今回は、離婚の際に定める主要な項目について、法的に有効で明確な書き方の具体例を解説します。
1. 養育費:子供の将来を守るための記載
金額、支払期間、振込先を具体的に特定します。
- 記載例:「一人につき月額〇万円を、〇歳に達する日の属する月(または大学卒業まで等)まで、毎月末日限り振込により支払う。」
- 終期の工夫:大学進学を考慮する場合は「満22歳に達した後に最初に到来する3月まで」とするなど、実態に合わせて調整します。
- 「〇日限り」とは:「その日までに必ず支払う」という期限を表す法的な表現です。
2. 財産分与:資産ごとの適切な書き方
分与する財産の種類(現金・不動産・自動車)によって、記載すべき内容が異なります。
- 現金:金額、期限、振込先、手数料の負担を明記します。
- 不動産:登記簿謄本の記載通りに「所在・地番」などを正確に転記し、名義変更の手続き(登記)期限と費用の負担者を定めます。
- 自動車:登録番号や車台番号で車両を特定し、引き渡しの時期や移転登録の手続きについて定めます。
3. 慰謝料:納得感のある名目選び
不貞や暴力などの原因がある場合、慰謝料として記載しますが、相手が「慰謝料」という言葉に抵抗を示すこともあります。
- 柔軟な対応:「解決金」という名目に変えたり、「財産分与」の額に上乗せして調整したりする方法もあります。
- 婚姻費用の精算:別居中の生活費(婚姻費用)に未払いがある場合は、これもあわせて精算条項として盛り込むことが可能です。
4. 清算条項:紛争を完全に終わらせるために
「これ以上、お互いに何も請求しません」と宣言する非常に重要な条項です。
- 記載内容:「本合意に定めるもののほかに、名目のいかんを問わず、金銭その他の請求をしない」と記載します。
- 注意点:この条項を入れた後に「やっぱり年金分割を忘れていた」と気づいても、追加請求が難しくなるため、すべての項目を網羅したか最終確認が必要です。
離婚協議書は、内容を正確に記載するだけでなく、将来の不払いに備えて「公正証書」にしておくことが強く推奨されます。特に養育費など長期間の支払いが発生する場合、公正証書にしていれば、裁判をしなくても即座に差し押さえができるからです。
あなたのケースでどのような条項を入れるべきか、法的な不備がないか不安な方は、ぜひ一度ご相談ください。後のトラブルを防ぎ、安心して再出発できるようサポートいたします。