配偶者の不貞(不倫)が発覚したとき、怒りや悲しみの中で「相手に慰謝料を請求したい」「離婚を考えたい」と思うのは当然の反応です。しかし、法的に責任を追及するには、感情面だけでなく「事実の確認」と「証拠の有無」が決定的な鍵を握ります。
現在の状況に合わせて、どのように行動すべきか、注意点を整理して解説します。
1. 証拠が十分にある場合:戦略的な請求を
不貞の決定的な証拠(写真、動画、LINEのやり取りなど)があるなら、不倫相手や配偶者への慰謝料請求が可能です。ただし、離婚せずに家計を共にし続ける場合には、特有の注意点があります。
- 求償権(きゅうしょうけん)の壁:不倫相手が慰謝料を支払った後、その相手があなたの配偶者に対して「自分だけが払うのは不公平だから、責任の割合分を返して」と請求することを求償権といいます。
- 家計を守る合意:離婚しない場合、相手から配偶者にお金が流れると、結局は家計から出ていくことになります。示談の際には「求償権を行使しない」という文言を合意書に盛り込むことが重要です。
- ダブル不倫のリスク:不倫相手も既婚者の場合、相手の配偶者からこちらの配偶者に慰謝料請求がくる「泥沼化」の恐れもあります。慎重な交渉が求められます。
2. 証拠が不十分な場合:「謝罪文」が命綱になる
相手が非を認めて謝罪しているものの、決定的な証拠がない……。この段階で最も危険なのは、口約束だけで済ませることです。後で「そんなことは言っていない」と翻されるリスクを回避しましょう。
- 書面化の徹底:その場で「謝罪文(合意書)」を作成してもらうことが極めて有効です。不貞期間、謝罪の言葉、今後の誓約に加え、住所・氏名・押印を必ずもらいましょう。
- 冷静な場所での作成:「脅されたから書いた」と言われないよう、個室ではなく、ファミリーレストランなどの公の場で、冷静にやり取りを行うことが証拠としての価値を高めます。
3. 事実確認も確証もない場合:まずは「情報の蓄積」を
「怪しいけれど証拠がない」という段階で焦って問い詰めるのは、相手に証拠を隠滅する隙を与えるだけです。まずは冷静に、法的に有効な情報を集めることに専念しましょう。
| 調査方法 | 注意点とアドバイス |
|---|---|
| 自力での調査 | 毎日の行動記録(日記)や、怪しいレシートの保管。ただし、スマホのパスワードを無理やり解除するなどの行為は違法になる恐れがあるため、事前に弁護士へ相談を。 |
| プロ(探偵)の利用 | 不貞の現場(ホテルの出入りなど)を確実に押さえるには有効ですが、高額な費用がかかります。裁判で勝てる見込みがあるかを含め、検討が必要です。 |
不貞トラブルの解決は、初動を誤ると取り返しがつかないことになるケースが多々あります。「慰謝料の相場はいくらか」「手元の資料で証拠として足りるのか」といった不安をお持ちの方は、まずは専門家へご相談ください。
当事務所では、証拠の評価から、相手方への通知書の作成、求償権を考慮した示談交渉まで、あなたの精神的な負担を最小限に抑えながら、納得のいく解決を目指してサポートいたします。