相手方の行方がわからないまま放置してしまうと、消滅時効にかかってしまい、大切な権利が消えてしまう可能性があります。
時効を止めるには訴訟などの手続きが必要ですが、相手の居場所がわからなければ通常の進め方はできません。
今回は、相手方が行方不明の場合にどのように権利を保全すべきか、その方法についてお話ししたいと思います。
1. 戸籍の附票などで住民票の所在を調べる
まず行うべきことは、公的な書類を用いた住所調査です。
訴訟などの法的手続きが必要な場合に限り、例外的に相手方の「戸籍の附票」等を取得できることがあります。
これにより、相手方が現在どこで住民登録をしているかをたどり、現住所を特定する作業を行います。
2. 判明した住所に連絡をとる
住所が判明した場合は、その住所へ手紙を送るなどして相手方の所在を確認します。
もしそこに居住していれば、通常通り手続きを進めることが可能です。しかし、住民票はそのままでも実際には住んでいない「所在不明」の状態であれば、次の手段を検討します。
3. 住所不明・不在時の解決策「不在者財産管理人」
どうしても居場所がわからない場合、裁判所に「不在者財産管理人」を選任してもらう方法があります。
これは、行方不明の本人に代わって財産を管理したり、法律行為を行ったりする人を立てる制度です。
不在者財産管理人を相手として裁判を起こすことで、相手方が不在であっても法的に有効な手続きをとることができ、権利の散逸を防ぐことが可能になります。
4. 不在者財産管理人の選任申立てと費用
選任の手続きは、相手方の(最後の方の)住所地を管轄する家庭裁判所に申し立てます。
- 選任される人:親族が候補者になることもありますが、利害関係がある場合は弁護士などの専門職が選ばれるのが一般的です。
- 予納金:専門職が選任される場合、その報酬にあてるための「予納金」を裁判所に納める必要があります。
予納金の金額は事案の内容や裁判所の判断によって異なりますので、あらかじめ弁護士に見通しを相談することをお勧めします。
「相手がいないから何もできない」と諦めてしまうのが最も危険です。時効が迫っている場合は特に迅速な対応が求められますので、お早めにご相談ください。