中小企業や個人事業を営んでいる方へ(予防策)

企業法務・顧問弁護士

中小企業や個人事業を営んでいる場合、様々な法的トラブルの防止策や各種法令遵守策を取る必要がありますが、現実問題としてそのような対応ができていないことが多くあります。
本来であれば、顧問弁護士をつけたり、そこまでいかなくとも法律相談でそのような策をとったりするのが良いのですが、本業が忙しいなど、中々相談する時間がとれない、または、費用がないなど、対策に手が回らないのが実情のようです。
しかし、多忙の中でも、少しでも法的トラブルなどを回避する方法はないのでしょうか。

書類・証拠は保管する

法的トラブルは、全く想定外のところで発生するのが常です。どのようなトラブルでも、こんなことになるとは思わなかったという感想を持つことがほとんどです。
万が一、法的トラブルが発生した場合、重要になるのは証拠です。
中小企業や個人事業の場合、一般的には、これまでの慣習や取引先との人間関係で取引が成り立っていることが多く、発注書や請求書、領収証くらいしか残っていないことが多くあります。
しかし、取引のトラブルなどの場合、言った言わないの問題になることも多いため、少しでも多くの証拠や書類があった方が有利になります。
そこで、取引のメモや取引に関して手元にあるもの(場合によっては写真など)は、取引が無事終了して少し時間が経つまでは、できるだけ残しておきましょう。

契約書などは特記事項をうまくつかう

契約書を作成する場合、中小企業や個人事業の方は一般に出回っている契約書のひな型を使うことが多いです。
この場合、中身をしっかり確認していることは少なく、契約書の内容とは異なる口約束がなされることも少なくありません。
そうすると、いざトラブルが発生し、証明しようとしても契約書の文言が実際とは違う形になっており、証明したい事実が証明できなくなってしまいます。

もし、契約書とは別に口約束があるのであれば、契約書の特記事項欄に記載したり、別紙に記載して契約書に添付し、双方で割り印をしておくなど、何かしらの形で必ず記録を残しておきましょう。
特記事項に書いてあれば、ひな型とは異なる内容の場合、特記事項が優先することもあり得ますので、後日実態にあった証拠を出すことができます。

やりとりはメールやLINEで

もし証拠を残しづらい(取引先にお願いしづらいなど)場合には、やりとりをメールやLINEなどで行うのも一つの手です。
そうすれば、後日、印刷して証拠にすることができます。
この場合、先ほどの特記事項のように、約束事はしっかりと文面に記載しておきましょう。

例えば「この間の件」とはかかず、「この間の、代金を20%割引にしていただける件」などと書けば、内容が記載されることになり、相手方も了承の上に話が進んでいることも明らかになります。

法令順守策は情報収集を

顧問弁護士や相談できる弁護士がいない場合でも、法令改正などは情報収集しておかないと、後日違法だったと指摘され、様々な不利益を被ることも出てきます。
少なくともインターネットやテレビ、新聞等で情報収集し、最低限の準備はしておきましょう。