合意をすればどんなことでも解決は簡単になるのか(合意の効力)

企業法務・顧問弁護士

金銭問題などの民事トラブルでは、法律のルールよりも「当事者同士の合意」が優先される場面が多くあります。しかし、双方が納得して判を押せば、どんな内容でも法的に守られるわけではありません。

中には、合意しても「無効」になってしまうものや、有効であっても「強制」ができない約束も存在します。今回は、合意の効力の限界についてお話しします。

合意そのものが「無効」になるケース

法律上、当事者の合意よりも優先される絶対的なルール(強行規定)や、社会のルールに反する内容は無効となります。

有効だが「強制執行」ができないケース

合意としては法的に成立していても、裁判所が「無理やりその行動をさせる(強制執行)」ことができない約束もあります。

例えば、「月に一度は必ず近況を連絡する」という合意について、相手が連絡を怠ったからといって、裁判所が無理やり電話をかけさせることはできません。
ただし、合意自体は有効なため、約束破りに対する「慰謝料」や「損害賠償」を請求できる道は残ります。

実効性を持たせるための「工夫」が必要

単に「〇〇する」と約束するだけでは、いざという時に守らせる力が弱い場合があります。そこで実務上は、以下のような工夫を凝らします。


「判をついたから安心」と思っていた内容が、実は法的に無意味だったという事態は避けなければなりません。特に重要な取引や複雑な合意を行う場合には、事前にその「実効性」について弁護士に相談することをお勧めします。