交通事故に遭ってしまうと、怪我の治療や車の修理など、目の前の対応に追われてしまいます。「いつになったら賠償金の話ができるのか」と不安に思う方も多いのではないでしょうか。
今回は、示談交渉が始まるタイミングや、その具体的な流れについて解説します。
物損と人損は「別々」に進む
まず知っておくべきは、車の損害(物損)と怪我の損害(人損)は、保険会社の担当部署が分かれているという点です。そのため、交渉もそれぞれのタイミングで別々に進行するのが一般的です。
- 物損のタイミング:修理が完了した、あるいは修理費用の見積もりが出た段階で交渉が始まります。人損に比べて結論が出るのが早い傾向にあります。
- 人損のタイミング:原則として「治療が完全に終了した後」に交渉が始まります。怪我が完治した、あるいはこれ以上治療しても改善しない「症状固定」の状態になって初めて、損害額が確定するからです。
「治療打ち切り」の連絡が来たら注意
人損の対応で注意が必要なのは、治療開始から数ヶ月(むち打ち症なら3ヶ月程度が目安)経った頃に、保険会社から「そろそろ治療費の支払いを終了します」という連絡が来ることです。
まだ痛みが残っているのに治療を打ち切られ、そのまま示談交渉へ誘導されてしまうケースもあります。納得がいかない場合は、医師の診断に基づき治療の継続を主張する必要があります。
[Image: A flowchart showing the timeline from Accident to Treatment, then Settlement Negotiation, and finally Agreement]示談交渉の具体的な流れ
治療や修理が終わると、保険会社から「免責証書」や「示談書」といった書類が届きます。そこには提示金額(賠償額)が記載されています。
- 提示額の検討:保険会社から示された金額や過失割合をチェックします。
- 承諾または再交渉:納得できれば署名・捺印して返送します。納得できない場合は、再提案を求めたり、こちらの希望を伝えたりします。
- 示談成立・支払い:合意に至れば、数日〜数週間で指定口座に賠償金が振り込まれます。
保険会社が最初に提示してくる金額は、あくまで自社の「内部基準」に基づいた低いものであることが少なくありません。一度示談書にサインをしてしまうと、後から「やっぱり金額が低いからやり直したい」と言うことは原則できません。
提示された金額が妥当かどうか、サインをする前に一度弁護士によるリーガルチェックを受けることを強くお勧めします。