離婚時に決めておくべき主な事項
離婚を考えている場合に、何を決めておくべきか悩んでしまうことがあると思います。 離婚に際しては、単に離婚することだけでなく、子の監護に関する事項や財産的な事項を定める必要があります。
具体的には、以下の事項が主要な協議項目となります。
- 親権者の指定
- 養育費
- 面会交流
- 財産分与
- 慰謝料
- 年金分割
さらに、住まいの問題や各種手続きなど、話し合うべき事項は多岐にわたります。ここでは、主な項目について解説します。
1. 子の監護に関する事項
親権者の指定
未成年の子がいる場合、離婚をするためには、必ず父母のいずれか一方を親権者として定める必要があります。
協議で決めることができない場合は、家庭裁判所の手続きによって決定されます。子が複数いる場合には子ごとに親権者を定めることも可能ですが、兄弟姉妹で分けない形にすることが一般的です。
養育費(子の監護費用の分担)
子どもの監護や教育に必要な費用について、次のような事項を具体的に決めます。
- 金額
- 支払時期
- 支払期間
- 振込先
養育費は必須事項ではありませんが、将来の子どもの生活や教育を考えると、事前に定めておくことが望ましいといえます。
面会交流(親子交流)
親権者または監護者とならなかった親と子どもとの交流についても取り決めを行います。
例えば、以下のような内容を決めることがあります。
- 面会の日時や頻度
- 面会時間の長さ
- 子どもの引き渡し方法
- 面会場所や立ち会いの有無
具体的な取り決めが難しい場合には、今後の協議方法を定めておくこともあります。
2. 財産に関する事項(離婚給付)
財産分与
財産分与とは、夫婦が婚姻中に協力して形成した財産を清算する制度です。一般的には次の3つの要素があるとされています。 清算的要素 婚姻中に築いた夫婦共有財産について、分与方法を定めるものです。 扶養的要素 離婚後に生活が困窮する場合、生活を補うために分与が認められる場合があります。 慰謝料的要素 離婚原因に対する損害賠償の意味を含むものですが、通常は財産分与とは別に慰謝料として請求されます。
なお、財産分与の請求は原則として離婚から2年以内に行う必要があります(法改正により将来は5年に延長される予定です)。
慰謝料
不貞行為やDVなど、離婚の原因を作った配偶者に対して、精神的損害の賠償として慰謝料を請求することがあります。
慰謝料は、
- 財産分与とは別に請求する方法
- 財産分与に含めて解決する方法
のいずれも可能です。別途請求する場合の時効は、原則として離婚から3年です。
年金分割
年金分割は厳密には離婚給付ではありませんが、専業主婦(夫)など扶養に入っていた配偶者がいる場合には、婚姻期間中の厚生年金記録を分割する制度があります。
この場合、当事者間で合意分割を定めることがあります。
3. その他の事項
住まいの問題
持ち家の場合は財産分与と関係し、次のような点を決める必要があります。
- 名義をどうするか
- 住宅ローンの負担をどうするか
- 売却するかどうか
賃貸住宅の場合には、契約名義や退去の問題なども生じるため、事前に整理しておくことが重要です。
動産の問題
家具や家電などの動産についても、誰が取得するのか、誰が処分するのか、処分費用はどうするのかといった問題が生じます。
場合によっては、処分のスケジュールなども含めて取り決めておくとトラブル防止につながります。
手続きの問題
離婚に伴い、次のような各種手続きが必要になります。
- 扶養の変更
- 住民票の変更
- 学校関係の手続き
どちらがどの手続きを行うのか、事前に決めておくとスムーズに進めることができます。
4. 合意の方法と効力
協議離婚は、夫婦の合意と離婚届の提出のみで成立するため、取り決めを文書に残さない場合にはトラブルが生じる可能性があります。
特に養育費などの金銭的な取り決めについては、将来支払われなくなるリスクもあります。
そのため、合意内容を公正証書として作成しておくことが有効です。
金銭的な取り決めがない場合でも、少なくとも離婚協議書を作成しておくことで、将来のトラブル防止につながります。