前回お話ししたとおり,個人自営業・中小企業の方が何らかの取引を行う場合に,相手方との付き合いが長いなどの場合,取引内容についてあまり気にしない場合があります。
しかし,何かトラブルが起きてしまった場合,取引内容を確認していないことが予想外の損害を発生させることもあり得ます。
そこで,取引の際には,どのようなことに気をつければよいのか,前回に引き続き内容の点についてお話ししたいと思います。
解約が可能な場合についての定め
契約の解約や解除が可能かどうかについては,契約を途中でやめることができるかどうかに関わりますので,特に継続的な取引の場合,大変重要な問題になります。
途中でやめられる場合には良いのですが,やめられない場合ややめられる条件がある場合もありますので,よくよく確認する必要があります。
また,やめた場合に違約金等を求められる場合もあります。
現段階で中途解約を考えていなくても,万が一やめる場合に,できるだけ簡単にやめられるものである方が契約はしやすくなります。
解約などの事後処理について
仮に解約や解除がなされた場合に,どのように処理されるのかについても大変重要です。
すでに支払っている料金は戻ってくるのか,すでに渡している書類や情報などは戻ってくるのか,情報などが外部に漏れることはないか,契約がなくなった後も効果が継続する条項はあるのかなどです。
このような情報は現段階で重要ではないと思っても,後日重要になってくるものですので,しっかりと確認しましょう。
自動更新条項について
契約期間が定まっているものでも,自動更新条項があると,その後も同一期間で延長になることがあります。
そうすると,期間があってないようなものになってきてしまいますし,解約が実質的に難しいような場合には,期間で契約終了と思っていてもそうならず,契約が続いてしまうことになってしまいます。
したがって,このような条項がないかも確認しましょう。
契約の変更について
なお,契約内容・取引内容は当事者が合意すれば変更が可能です。
しかし,変更が口頭でなされた場合などは,後日変更を証明することが不可能になります。
このような場合,必ず書類を残すようにしましょう。
前回もお話ししましたが,当事務所では,LegalForceを導入しています。LegalForceは,AIが契約書等を確認するサービスで,弁護士とのダブルチェックが可能になる点でとても有用です。特に上記のような問題点を確認することが容易にもなります。
契約書等で気になる点があれば,弁護士にご相談ください。