滞納している借金があったり,何か紛争を抱えていたりする場合,急に裁判所からの通知が届く場合があります。また,場合によっては全く身に覚えがないのに裁判所からの通知が届くこともあります。このような場合はどうすればよいのでしょうか。
必ず中身を確認する
裁判所からの通知は必ず封書で届きます。
急にこのような通知が来れば,誰でも気分はよくありません。人によっては中身を見ず,そのまま捨ててしまう方もいるかもしれません。
しかし,裁判所からの通知は,裁判や調停,差し押さえなどの手続きが始まったことのお知らせが多いです。
そして,裁判など重要な手続きの場合,反論などがあっても相手方の言い分で決まってしまうなど,対応しないことで被る不利益は大変大きいものになってしまいます。
そこで,裁判所からの通知は必ず中身を確認しましょう。
裁判(訴訟)のお知らせだったら
裁判(訴訟)のお知らせだった場合,必ず何らかの対応をしましょう。答弁書という反論の書面を出す,証拠も出す,期日に出頭するなど,しっかりとした対応が必要です。
そのまま放っておいてしまうと,相手方の言い分どおりに裁判の結論が出ます。何か反論があっても後日争うことができなくなります。そして,場合によっては裁判後,差し押さえなどが行われることもあります。
最近では,架空請求業者が裁判のこのような性質を利用して,こちらには身に覚えのない裁判を起こし,放っておかせて,後日差し押さえまで行ってしまうケースもあるとの報道もなされています。
決して放っておかず,自分で対応が難しい場合には,弁護士にすぐに相談しましょう。
調停のお知らせだったら
調停のお知らせだった場合,調停は話し合いの手続きですので,裁判ほどのリスクはなく,勝手に結論が決まってしまうようなことはありません。
しかし,調停申立てが行われる場合,相手方との間に何らかの紛争があることは,ご自身でも心当たりがある場合が多いです。
ですので,勝手に決まってしまうことはないとしても,反論や言い分を主張し,話し合いを行う良い機会ではありますので,可能な限り期日に出頭した方が良いでしょう。
差し押さえのお知らせだったら
差し押さえのお知らせだった場合,差し押さえの書類に書いてある財産が存在する場合には,その財産が押さえられてしまい,場合によって,強制的に処分されてしまいます。
差し押さえの種類(仮の差し押さえか,裁判後の差し押さえかなど)によっては,何らかの手段が残されている場合もありますし,差し押さえられた資産の内容によっては生活に直結することもあります。
ですから,この場合には,すぐに弁護士に相談しましょう。
本当に裁判所からのものか怪しい場合
本当に裁判所からきたのか疑わしい場合には,届いた書類に書いてある連絡先ではなく,公になっている裁判所の電話番号に電話し,本当に手続きが始まっているか聞いてみるのも良いと思います。届いた書類に書いてある番号に電話しても,その電話が本当に裁判所の電話番号かわかりませんので,あくまで公になっている電話番号に電話しましょう。
電話するのも不安という方は,届いた書類を持って弁護士に相談してみましょう。