弁護士費用が出せない場合やまずは自分でやってみようと考えた場合など、人によっては、ご自身で裁判を行う方がいらっしゃいます。
弁護士をつけずに本人が裁判に対応することを本人訴訟といいますが、本人訴訟の場合、裁判官に話が伝わらないと思う場面が少なからず出てきます。
また、裁判官から書面で出してほしいと言われたので、詳細な書面を出したが、再度書面を求められることもあります。
そこで、今回は、自分で裁判をしたときに裁判官に話が伝わらないのはなぜかについてお話ししたいと思います。
要件事実というものがある
自分で裁判をしたときに裁判官に話が伝わらない最たる原因は要件事実にあると思います。
法律は、法律に定められた事実が認められると一定の効果が発生する仕組みです。
この法律の効果を発生させる事実のことを要件事実といいます。
裁判官や弁護士は、この要件事実が頭にあって主張などをしますので、要件事実とは関係しないことについて長々主張しても、あまり意味がありません。
そのようなことから、色々話していても通じていないと感じることになるのです。
そこで、本人訴訟を行うとしても、要件事実の整理のため、一度は弁護士に相談した方が良いと思います。
間接事実と経験則
また、要件事実が直接証明できない場合、間接事実という、要件事実を推定させるような事実を主張立証することになります。
このとき、どのような事実が要件事実を推定させるのかについては、経験則が重要になります。
本人訴訟の場合、裁判官の経験則とご本人の経験則がずれており、間接事実の主張がうまくいかないこともあります。
これも客観的な視点で検討することが必要ですので、一度弁護士に相談した方が良いでしょう。
その他
その他にも、日本語が分かりにくいとか、主語などがはっきりしない場合も、伝わりづらくなります。