法的な手続きを行う場合には、程度の差はあれ、一定の証拠が必要になります。
特に裁判では、主張した事実を証拠で証明する必要があり、証拠が大変重要になります。
他方で法律相談を受けていると、何が証拠になるのか、理解されていないと思われる場合もあります。
そこで、今回は、証拠の考え方(どういうものが証拠になるのか)についてお話ししたいと思います。
証拠とは何か
証拠とは、法的手続きにおいては、主張(言い分)を証明する道具という位置づけになります。
特に争いのある事実は証拠で証明する必要がありますので、大変重要なものです。
証拠は、主張との関係で、効力に強弱がありますので、どの証拠がどのくらいあるかで法的手続きがうまく進むのか、変わってきます。
強い証拠
まず、証拠は主張を証明するものになりますが、最も証明する力が強いものは、契約書などの直接証拠になります。
例えば、売買契約を締結したことを証明する場合、売買契約書は直接その契約があることを証明することになり、大変重要なものになります。
中くらいの証拠
また、証拠が直接主張を証明するものではないが、間接的に主張された事実があることを証明する力が強いものがあります。
例えば、浮気現場の写真などがあります。ホテルの出入りの写真は、ホテル内部で何をしていたのかが不明なため、直接的な証拠にはなりませんが、男女がホテルに数時間とどまったことからすれば、浮気していたのであろうと一般的には思われますので、比較的強い証拠になります(特に不貞の場合、そもそもホテル内部の証拠を取得することが不可能であり、他方で、男女がホテルで同室にいることは世間的には稀ということから、このような強い証拠になります。)。
弱い証拠または証拠にはならないもの
他方で主張事実を推定させる力が弱いもの、他の事情でかなり補足しないと単独では推定が弱いもの、そもそも他の可能性もあり得るので力が弱いものなどは、弱い証拠になります。
ご自身の記憶を前提としないと証拠といえないようなものは、そもそも証拠とはならないことがほとんどです。