こちらが離婚を希望していても、相手方が話し合いに全く応じない、または、話し合いには応じるものの対応が遅くてなかなか進まないなど、離婚の話が全く進まない状況になってしまう場合があります。
離婚を強く希望している場合、一刻も早く離婚したいというお気持ちになることが多いですが、協議離婚(双方が離婚を届け出て離婚する方法)の場合には、相手方が応じない以上先に進めず、焦ってしまうことも多くあります。
そこで、今回は、離婚の話が全く進まない場合にどうすればよいかについてお話ししたいと思います。
離婚の方法
まず、離婚する方法にはいくつか種類があります。
夫婦双方で離婚届に署名押印して離婚する協議離婚、裁判所の調停で離婚する調停離婚、裁判所の裁判で離婚する裁判離婚などです。
早期の離婚という意味では、まず協議離婚を目指すことになります。
協議が進まない場合
そして、協議が進まない場合、進まない理由によって、いくつかの対応が考えられます。
離婚や親権に争いがないものの、養育費や財産分与に争いがあるという場合、養育費などは離婚自体の要件ではないため、先に離婚をしてから話し合う方法があります。
この場合、財産分与は離婚から2年以内にしないといけないなど、時間制限があるものがありますが、離婚自体は早期にできることになりますので、一定のリスクはあるものの、一つの対応としてあり得ます。
また、単純に相手方が忙しいなど、物理的に難しい場合には、できる限りこちらで動いてしまう(要するに相手方がしなければならないことを減らす)ことで、離婚できることがあります。
他方、離婚や親権自体に争いがあって、話し合いが進まない場合には、協議離婚は難しいことが多いです。
調停申し立て
どうしても協議が進まない場合、裁判所の離婚調停が次の手段になります。
離婚調停では、裁判所の調停委員が間に入って話し合いをすることになり、裁判所が介入しますので、ある程度話し合いが進みやすくなることがあります。
例えば、養育費などの水準を知らないために進まなかったものが、水準を知ることで話し合いが成立することがあり得ます。
もっとも、相手方が出席しないなどの場合には、調停でも離婚を進めることが難しくなります。
(次回へ続く)