相続が発生し、遺産分割協議を行う場合に、そのまま相続人で話を開始してしまう場合も多々あると思います。
しかし、遺産分割協議は重大な法律行為ですし、相続人全員で納得する必要があり、また、手続きが必要なものでもありますので、何らの準備をせずに進めてしまうと、スムーズに進まなかったり、協議が成立しない結果になってしまったりすることもあり得ます。
そこで、今回は、遺産分割協議前にすべきこと(遺産分割協議の準備)についてお話ししたいと思います。
相続人を確認する
まず、相続人が誰か確認する必要があります。
一般的なご家族で、亡くなった方が初婚で、お子さんなどに疑義がない場合には良いのですが、前婚があるとか、年を取ってから婚姻されているなどの場合には、他に相続人がいる可能性もありますので、戸籍等を収集して、相続人を確認しておいた方が良いです。
遺産や借金を確認する
次に、遺産や借金の有無・金額を確認する必要があります。
少なくとも、被相続人が残した郵便物や通帳などの内容を確認して、それらしきものがないかは確認しましょう。
確認せずに、自宅があるから名義変更をと思い、すぐに名義変更の手続きをしてしまうと、後に借金が発覚しても、相続放棄ができないという場合もあり得ます。
本来はしっかりとした調査をした方が良いのですが、少なくとも身の回りを確認した方が良いと思います。
方針を確認する
また、ご自身の方針を確認しておく(検討しておく)ことも重要です。
相続人によっては、最初から相続をする考えがないこともあります。
その場合、相続を放棄する、相続分を譲渡するなどして、早めに相続手続きから抜けてしまうということもあり得ます。
検討をおろそかにすると、主導権を握る方の話で進んでしまい、苦慮する場面も出てくる可能性があります。
預金などを止める
遺産に関して、管理状況によっては、銀行などに連絡し、預金の動きを止めてもらうのも準備として重要な場合があります。
特に特定の相続人が管理しており、その後の払い出しを勝手にしてしまうおそれがある場合には重要になります。
遺言の有無を確認する
遺言がある場合、その内容の限度で遺産分割協議が不要になります。
ですので、この点の確認(自筆のものがないか、公証役場にはないか)をすることは大切です。