債務名義の話(話し合いでの解決でも差押えができるか)

その他

紛争を話し合いで解決した場合、一般的には、相手方が約束を履行しないと、一旦裁判を起こすことになります。

しかし、裁判を行うことは費用、手間、時間がかかりますし、そもそも約束を履行しないのに、なぜこちらで裁判をしなければならないのかと素朴な疑問を持たれる方もいらっしゃると思います。
この点、話し合いによる解決でも、やりようによっては、裁判をしなくても差押が可能になるということもあるのです。
そこで、今回は、話し合いの解決で差押えができる場合について、債務名義についても説明しながら、お話ししたいと思います。

債務名義とは

債務名義とは、差押えなどの「強制執行」をするための根拠となる書類のことです。

代表的なものは裁判の判決で、判決は強制執行を行うための書類ですので、当然、「債務名義」にあたります。

話し合いの手続きで債務名義を取得できるか

差し押さえをするには債務名義が必要になります。
そうすると、話し合いの手続きで差し押さえをするには、話し合いの手続きで債務名義を取得する必要があるということになります。
そして、話し合いの手続きでも債務名義を取得する手続きはあります。

和解・調停

まず、裁判中に話し合い解決を行う「和解」という方法があります。

この場合、「和解調書」という債務名義を取得できます。
また、裁判所の手続きではありますが、裁判ではなく「調停」という話し合いの手続きがあります。
調停の場合、終始話し合いを行って合意をするのですが、合意する際、「調停調書」という債務名義を取得できます。

強制執行認諾文言付公正証書

他方で、裁判所の手続きを利用しない方法として、「公正証書」を作る方法があります。

これは「公証役場」で作成するものなのですが、話し合いの結果を公正証書という書面に記載してもらうという手続きです。
公正証書に「強制執行認諾文言」という記載がなされていれば、債務名義として差し押さえが可能になります。