契約書(合意書なども含みます。)は、法的には重要な証拠であり、契約内容を表す大切な書類です。
ただ、当事者間の紛争は多岐にわたるため、契約書に書いていない問題が発生することもあれば、書いてあるがそうではない解決を求める場合など、多種多様な紛争があり得ます。
そこで、今回は、契約書に書いているものと書いていないものの解決の違いについてお話ししたいと思います。
契約書に書いている事項の紛争
契約書に書いてある内容に関連する紛争が起きた場合、原則として契約書が解決の基準になります。
金額や支払方法、利率や対応範囲など、内容は様々ですが、記載内容を基準に支払い内容などが決まることになります。
このとき、契約書の記載とは異なる解決ができないかというとそうではありません。
もっとも、契約書に記載がある以上、当事者が改めて合意をする方法や、契約の無効などの主張を併せて行うなど、契約書に記載がない場合と比べて、解決の方法が狭くなります。
契約書に書いていない事項の紛争
他方で契約書に書いていない場合には、他の要素により合意内容を明らかにする必要があります。
双方で、契約前に別途合意があれば、その基準によりますし、ない場合には、法律に
基づいて内容を補充解釈することになることが多いです。
法的な合意は契約書を作成しなくても口頭で成立します。
ですので、メールのやりとりなど、他の証拠で補充できれば、それにより合意内容を立証することも可能です。
どちらとも言えない場合
なお、契約書に記載があるのかどうか、よく分からない場合もあります。
場合によっては、どっちとも取れることもあるでしょう。
この場合、当事者間での争いは解決が難しくなるかもしれず、弁護士など専門家の意見を聞いて一定の基準とすることもあり得ます。
ですので、このような場合には弁護士に相談してみましょう。