債務で困ってしまい、破産を考えたときに、特に請求が激しく来ていると、ネット情報などで弁護士に依頼すれば請求が収まることを知り、とにかくすぐに弁護士に依頼するという場合があります。
この場合、弁護士に依頼すれば、確かに請求は止まりますが、人によってはそれで安心してしまい、弁護士との連絡などをおろそかにしてしまうこともあり得ます。
しかし、そのようなことをしてしまうと、後日、たくさんの不利益が生じる可能性があります。
そこで、今回は、破産を弁護士に依頼したからといって安心してはいけませんというテーマでお話ししたいと思います。
弁護士に依頼した後の一般的な流れ
弁護士に破産を依頼すると、弁護士は受任通知という通知を債権者に送付します。
これにより、弁護士介入という段階になり、債権者は請求を止め、債権の詳細を弁護士に開示します。
他方で、依頼した債務者は、各種資料を収集し、弁護士に提出し、また、弁護士から様々な質問をされますので、これに回答します。
資料収集や回答を行うことで、弁護士の方は破産申し立ての準備をします。
弁護士費用は法テラスを利用することが多いかと思いますが、この場合、法テラスに提出する書類も弁護士に出す必要があります。
これら資料等の提出などがないと、弁護士は破産申し立てができず、法テラスの審査もできません。
言われたことを怠るとどうなるか
弁護士は、上記の流れの中で、依頼した方に、それぞれ資料をお願いしたり、連絡して質問したりすることになります。
このとき、請求が止まったからと安心してしまって、弁護士の言う資料を出さない、回答をしない、連絡を取らないなどを繰り返してしまうと、弁護士は辞任を考えることになります。
弁護士が辞任すると、債権者からの請求は元通り本人に届くようになります。請求を停めている間、利息や遅延損害金が発生していますので、放置していた期間が長ければ長いほど請求額が当初より増額されることになります。
また、弁護士費用に関しても、辞任の場合でも全額返還されるわけではありませんので、別の弁護士にお願いすることとしたとしても、費用が改めてかかり、全体として高額化します。
さらに、一旦弁護士とのやりとりをおろそかにしたことが分かると、受けてくれる弁護士も減る可能性があります。
そして、債権者も長期間待っている状態になっているため、すぐに訴訟や差し押さえなどを行うリスクが上がります。
加えて、途中まで集めた資料も無駄になり、やはり破産しようとした場合に、改めてかなりの準備を強いられることになります。
以上のような不利益が生じますので、弁護士に破産を依頼した場合には、くれぐれも弁護士からの連絡を無視したり、収集・連絡を怠ったりしないようにしましょう。