遺産の中に不動産がある、離婚の際に不動産を分与するなどの場合、不動産の評価が問題となります。
不動産は、通常の物と違い、時期や算定方法など、様々な要素で変動するものであり、どうやって定めるのかは難しいところです。
そこで、遺産分割や離婚の財産分与などでの不動産評価についてお話ししたいと思います。
不動産の評価方法の種類
不動産を評価する方法として、固定資産評価額、路線価、市場価格といった種類があります。
固定資産税評価額は、固定資産税を算定するときに基準となる評価額で、自治体が算定した金額です。
路線価は、相続税の算定の際に用いる評価額で、公開されている基準額をベースに計算します。
市場価格は実際に売却する場合の値段や売却するとしたらどのくらいの金額なのかというような価格です。
実際の決定方法
それでは、相続や離婚などで、具体的にどのように評価を決めるのでしょうか。
この点、まずは、当事者間で合意が成立すれば、合意で成立した方法で算出します。
例えば、わざわざ査定などを行うのが面倒などの場合、当事者が固定資産税評価額によることを合意して、固定資産税評価額で計算することとするなどです。
他方で、当事者間で合意が成立しない場合、以下のような算定方法になります。
合意が成立しない場合
合意が成立しない場合、一般的には、調停や裁判などによって遺産分割や財産分与を行うことになりますが、その場合には、市場価値で算定することが原則になります。
ですので、当事者がそれぞれ不動産業者などに査定をしてもらって、その査定金額をベースに金額を決めることになります。
しかし、それでも争いが激しい場合には、最終的には裁判所の鑑定という手続きを行い、鑑定人が評価を決めることになります。
ただし、鑑定料などがかなりかかるため、結果的に話し合いで解決することもあります。
実際に話し合いの際になかなか合意が成立しない、評価方法に争いがある、などの場合、どうして良いかについては弁護士に相談してみましょう。